「出世より情が勝つ、反する立場の似たふたり。」フェイク movie mammaさんの映画レビュー(感想・評価)
出世より情が勝つ、反する立場の似たふたり。
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殺しに関わり、信じてくれたマフィアを裏切り、家族との生活を犠牲にしてまで手に入れたのは、メダルと500ドル。ジョニーデップ、そりゃあ複雑な表情になるわと思うエンディング。家族とは、話せない事が多すぎるのはわかるが、もう少しうまくやれないものかねぇ。アンヘッシュが怒っていても綺麗。
ジョニーデップ扮するドニー(ジョー)のFBIおとり捜査のせいで、録音機を隠すために何も悪くない日本人料理店員がリンチされ、裏切り者と勘違いされた人が殺され、お世話になったアルパチーノが殺され、マフィアの殺しが数件増えている。100のための1の犠牲はいとわないアメリカ社会。とはいえ、マフィアそのものを撲滅できたわけではない。意味あるのだろうか。
捜査のためにマフィアにどっぷり浸かるうちに、ミイラ取りがミイラになっていき心配になるが、いかに人を使い己の手柄にし出世するかしか考えてないFBIの縦社会より、仲間と恩に忠実な、人情味溢れるマフィア組織にほろっと来るのはわかる。
情の深さが何1つ報われないアルパチーノ扮するレフティーが可哀想でならない。ドンではなく、末端ちんぴらマフィアとはいえ、26人殺し、裏切り者としてまた1人殺し、殺し現場は慣れっこで、薬漬けの息子と同世代の子も敵マフィアの息子なら容赦なく殺そうとする、その道長いどっぷりマフィアなのだけど。ドニーだから許せるとまで言ってもらったアルパチーノに対し、ジョニーデップは、マフィアへのファーストコンタクトの相手をアルパチーノにした時点で、人柄まではわかっていなかったと信じたい。
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