フィスト
劇場公開日:1978年10月14日
解説
アメリカ労働史上風雪の1930年代を背景に、スラムから這い上がり、労働者の権利獲得のため、公然と権力に立ち向かい、遂には全米最強のユニオン・リーダーにのし上った男の栄光と挫折の日々を描く。製作総指揮はジーン・コーマン、製作補佐はパトリック・パーマー、製作・監督は「ローラー・ポール」のノーマン・ジュイソン、脚本はジョー・エスターハスの原案を基に彼と主演のシルベスター・スタローンが担当。撮影はラズロ・コヴァックス、音楽はビル・コンティ、編集はトニー・ギブス、美術はアンジェロ・グラハム、製作デザインはリチャード・マクドナルドが各々担当。出演は「ロッキー」のシルベスター・スタローン、ロッド・スタイガー、ピーター・ボイル、メリンダ・ディロン、デイヴィッド・ハフマン、トニー・ロー・ビアンコ、ケビン・コンウェイ、キャシー・イエーツ、ピーター・ドーナット、ヘンリー・ウィルコクスン、ジョン・レーン、リチャード・ハード、トニー・モッカスなど。
1978年製作/アメリカ
原題または英題:F.I.S.T.
配給:ユナイト映画
劇場公開日:1978年10月14日
ストーリー
1937年、オハイオ州クリーブランド。ハンガリー移民の子としてスラムで育ち、今は食品貯蔵会社の長距離トラック運転手をしているジョニー・コバック(シルヴァスター・スタローン)は、ある日、待遇改善要求で仲間の先頭に立ち、会社から時間外労働に対する賃金支払いの言質を勝ちとる。これをきっかけにジョニーのリーダーシップは大いに知れ渡り、親友エイブ(デイヴィッド・ハフマン)と共に、FIST(全米長距離トラック輸送組合)の第302支部委員長のモナハン(リチャード・ハード)とがっちり手を握る。そして彼らの戦いはFISTのメンバーをぐんぐん伸ばしていった。一方ジョニーは近くの縫製工場に勤めるアンナ(メリンダ・ディロン)という娘に秘かに想いを寄せ、いつしかその愛情が通じ、日毎に愛を育くんでいった。ジョニーらの凄まじい勢力拡張に恐れを成した運送資本家団体は、公然と暴漢を差し向け、ジョニーとエイブに重傷を負わせる。間もなくFIST全米委員長のマックス(ピーター・ボイル)がクリーブランドにやってきたが、その資本側を利するような言動にジョニーとエイブは失望する。一方、資本家団体会長タルボット(ヘンリー・ウィルコクスン)との交渉の席で、要求をことごとく拒否されたジョニーは、仲間の支持を受け資本家会館の巨大な正面ゲートにピケを張った。しかし、アンナやエイブらの協力もむなしく、会社側の雇った暴漢や警官の手によって、ジョニーは傷つき、モナハンは殺される。この敗北によって『力』が必要であることを認識したジョニーはシカゴ・シンジケートと関係をもつナイトクラブのオーナー、ビンス(ケビン・コンウェイ)の援護を受けることに成功し、早速グレアムを町から追い出し、再びピケを張る。そして遂にタルボットをも屈服させる。こうして第302の勢力は増大し、統制に従わないユニオンはビンスの紹介で知り合ったシカゴ・シンジケートのボス・ベイブ(トニー・ロー・ビアンコ)の力を借りた。しかし、前からシンジケートと関係をもつことに反対していたエイブが、ついには去っていく。あるクリスマスの夜、ジョニーはアンナと結婚する。1959年のFIST全米会議に出席したジョニーは、上院組織活動調査委員会の議長アンドルー上院議員(ロッド・スタイガー)と初めて顔を合わすが、アンドルーはジョニーらの組織勢力拡張の動きに疑問を抱いていた。一方、FISTの代表者大会がマイアミで開かれた際、ジョニーはグレアムを押えて、とうとうFIST最高権力の座につく。そして勢いにのった彼は空前の8%賃上げ要求を仲間たちに約束し、万場の喝采を浴びる。しかし、その頃ワシントンでは、アンドルーがFISTと暗黒街との癒着にメスを入れようとし、さらにジョニーを利用するだけし尽くしたベイブらシンジケートもジョニー抹殺の動きを見せていた。暗黒街との癒着を問われる会議でアンドルーの発言に怒ったジョニーは、席を立ちその場を去る。外にはジョニーを声援する群衆が待ちかまえており、ジョニーもそれに応えた。しかし、家に帰ってみるとアンナの姿がなく、誘拐されたと思ったジョニーは慌てて外に出る。その瞬間、ジョニーの身体は、何ものかによって発砲された銃弾を受け、地に伏すのだった。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ノーマン・ジュイソン
- 脚本
- ジョー・エスターハス
- シルベスター・スタローン
- 原作
- ジョー・エスターハス
- 製作総指揮
- ジーン・コーマン
- 製作
- ノーマン・ジュイソン
- 撮影
- ラズロ・コバックス
- 美術
- アンジェロ・グラハム
- リチャード・マクドナルド
- 音楽
- ビル・コンティ
- 編集
- トニー・ギブス
- アソシエイト・プロデューサー
- パトリック・パーマン
- 字幕
- 高瀬鎮夫