「素晴らしい映像表現と内容。衝撃過ぎます。」ファンタスティック・プラネット コバヤシマルさんの映画レビュー(感想・評価)
素晴らしい映像表現と内容。衝撃過ぎます。
内容は、とある何処かの異世界が舞台。ある惑星には生態系の頂点として人間の10倍ほどの青い肌と赤い目をした宇宙人がいて、人間を飼っているそのドラーグ人とドラーグ人に飼い人が知識を得て逃げ野良人間としてドラーグ人世界との共生関係が始まるという幻想的な物語。
印象的な台詞は『彼らは脆い弱い生き物たのだ!』ドラーグ知事が初めに娘に語りかける言葉。人間な存在が蟻の様に描かれている辺りヒューマニズムを皮肉っている所が今にしても食い込んで表現してるなと感じる。虫人間としての扱われ方はいい!一気に世界に吸い込まれます。もし当時観てたら衝撃過ぎて忘れられなあだろうと思います。
印象的な場面は、ドラーグ人から首輪を着けられるシーンです。激しい音と光はそれだけで説得力あります。A・アシモフの言う様に過ぎた科学文明は魔法の様に見える。その通り異様な不可思議な世界観を納得させるだけの画像構成が凄いです。癖が強すぎて癖になりそうです。
印象的な演出は、やはり脚本のキレの鋭さです。底なしの野蛮な欲望の権化である人間との共生に舵をきる辺り異星人の価値観として、納得してしまう凄さがあります。よく言えば論理的。悪く言えばご都合主義。しかし発表された1973年という事を考えれば凄い!2023年の今観ても十分すぎる新作感覚味わえました。普遍的なテーマである人間をメタ的に捉える表現には未来への先見性が感じられます。
映像のオリジナリティもさることながら鉛筆画も味がありいい。瞑想や雲を食べる仙人の様な欲の薄いドラーグ人と野蛮で貪欲な人間との対比が比喩的表現として自分の考えの中に入り込んできて、ドラーグ人の学習用具の様に頭から離れません。SFが好きな人からすれば親しみ易い実験的で革新的な素晴らしい作品です。
コメントありがとうございます。久々にコメント対応出来る楽しさを感じてます。短くて素直にセンスオブワンダーの感じさせる当時としては攻めすぎた感覚が尖り賛否分かれたと思われますが、見所の豊富な作品でしたね。ジブリ作品のもののけ姫やナウシカにも通じるものがある様な気もします。
なんか、いい感じのレビュー、ありがとうございます。ほんの少し、わかったような気がします。この映画を理解できるようになるまでに必要な生まれ変わり数が、半分になったと思います。またいつか、観てみよっと。