「コンセプトは評価するけど…」評決のとき 蜷川吝塀さんの映画レビュー(感想・評価)
コンセプトは評価するけど…
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イントロで極めて残酷な描写があります。
スキンヘッド、白人至上主義者、人種差別主義者、KKKなど、様々な言い方がありますが、要は極端な思想を持った似たような危険な連中です。
娘を暴行され、陵辱され、殺されそうになった父が、加害者の2人を射殺します。
その後、被害者の娘の父であり、殺人を犯した加害者である男の裁判が始まります。
タイトルの通り、コンセプトとしては多くの人に考えてもらいたいテーマであり、素晴らしいと思いますが、本作の端々にスパイク・リー監督の見せかたが垣間見え、チープに感じてしまいました。
また、キャストは極めて豪華ですが、妻と子の不在の中で、若い女に色目を使う主人公(マシュー・マコノヘイ)にドン引きしました。彼にとって、妻以外の女とは事に及んでさえいなければ良いのでしょうか。その事を知ったら奥さんや子供はどんな顔をするでしょう。
またKKKの連中が、黒人をサポートしているとはいえ白人ばかりを襲う姿に違和感を感じました。
尺も140分以上と長く、付け合わせのようなシーンが多く、観ていてだらけました。
結局3回に分けて視聴しました。
何よりクライマックスの主人公の法廷での“ストーリー”には甚だ興醒めしました。
やはり白人の監督が黒人差別をテーマに映画を作るというのは無理があるのでしょうか。
この映画を観るのならスパイク・リー監督の『Do the Right Thing』を観て欲しいです。黒人コミュニティのリアルが熱や温度も感じられそうになります。
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