「戦争への抗議と人への愛」ひまわり(1970) komasaさんの映画レビュー(感想・評価)
戦争への抗議と人への愛
オープニング、一面のひまわり畑。そのひまわり達は、背景に流れるテーマ曲のせいか、何ともいえない陰影を帯びて見える。
物語の終盤。男が女に一緒に来ないかと投げかけ、女が断る。これは、過去を肯定しつつ現在を受け入れ歩み続ける為の儀式だ。何と悲しく、何と美しい大人の逢瀬だろう。
これは、二人の演技だけでなく、そこに至るまでの時間経過と距離の見せ方の上手さがあってこそだ。
またこの作品では、理不尽の極みである戦争への怒りと抗議を直接的な形でも表現している。雪中の敗走、丘を埋め尽くす墓標、埋められた人々の上に咲く見渡す限りのひまわり等、強い印象を残す画ばかりだ。
しかし、戦争への憎しみを個々人に向けることは無い。イタリアとソ連の人々の日常を通して、東西ともに変わらぬ人間の営みがあるのだと伝えている。その姿勢こそ、この映画が愛され続ける理由なんだと思う。
ウクライナをはじめとする紛争地域に1日も早く平和が戻りますように。
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この映画の内容を そのまま音にした様なテーマ曲がとても印象的。
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群衆の中でも際立つソフィア・ローレンのスタイルの良さ、視線の強さ、美しさ。
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