「あんなに人を愛したことがあるだろうか。」ひまわり(1970) 藤崎敬太さんの映画レビュー(感想・評価)
あんなに人を愛したことがあるだろうか。
戦争によって引き裂かれた、切ない愛。簡単に要約すればそうなんだが、
夫の生を信じきって、ソビエトまで探しに行く主人公の思いがすごい。
そして、そこで見た。夫の新しい生活。
彼は雪中行軍で脱落し、とあるロシア人女性に救われ、家庭を築いていたのだ。
それを知ったソフィアローレンの演技がまたなんともやりきれない。
主人公をイタリアまで訪ねてきて夫だが、今度は彼女にも新たな家庭があった。
愛を確認する2人なのだが、ラストでの元夫を見送るソフィアローレンの表情、
汽車の窓際に立ち、虚無の表情で徐々に画面から消える元夫。
冷戦下での撮影とのこと。多くの困難があったのだろうが、ソビエトの
映像も興味深い。
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