「やっぱりネロなので、なんか裏“ジャンゴ”みたいでもある?」ヒッチハイク(1977) アンディ・ロビンソンさんの映画レビュー(感想・評価)
やっぱりネロなので、なんか裏“ジャンゴ”みたいでもある?
割と最近になって再観したところ、考えてみたらどうもジャンゴのパロディのつもりなのか、これでは「逆ジャンゴ」な展開じゃないか?
それって、意外と気づいてるヒトいないと思う。
どうりでマカロニ調な、血生臭いシーンをワザとらしく入れてるわけです。(この頃のイタ系でも珍しくは無いが。)
ジャンゴはかつて恋人を失った傷心により孤独な独りぼっちの男で、悪人どもの間を上手く立ち回って金を独り占めすべく画策し、悪行が祟って失敗して金は全て失ってしまうが、再び人を信じ愛する心に目覚め、かつての正しい心を取り戻すという。
「悪銭身に付かず」な話。
こっちは美人で金持ちの奥さんも持ったそこそこ安泰な人生を生きてきた割と普通の男だったのが、犯罪に巻き込まれて悪人共と接触しているうち、次第に人生への不満や悪の願望が目覚めて、遂にはそれを抑えきれなくなって、愛情どころか元からエロさだけしか興味も無いような男だったので、この際、女房も利用して捨てて、金独り占めの自分一人の道を選ぶ。
「悪銭独り占め」なお話。
双方のストーリーの展開は完全に逆方向に進みます。
10年経って、アメリカの現代社会に姿を現したジャンゴは、真逆の人間となっていましたとさ!?
サスペンスやホラー系に、ワザと妙に明るかったり能天気な曲調の音楽を充てるモリコーネ氏の手法も健在也、って感じの映画でもありました。
(コリンヌ・クレリーのサービス・カットが盛られている分、作品としての評価は甘めになってます。)
因みに、メインの犯人デビット・ヘス氏はこの前にも『鮮血の美学』にて女子学生に付き纏った挙句、やっぱり“暴行”せずにはおれなかったのが仇となり、その親にバレて撃ち殺されてましたが、懲りないヒトですね(?)。
参考までに、‘77年なのでこれもSWの同期生ですね。
この作品辺りからネロ氏は、『ナバロンの嵐』とか『ダイハード2』とか、悪役も増えていったような気も?
いやあ、興味深い…….