ヒッチハイク(1977)

解説

キャンピング・カーでアメリカ旅行を楽しむ若夫婦が、1人の男を乗せたために起る恐怖を描く。監督はパスクァーレ・フェスタ=カンパニーレ、脚本はオッタビオ・ジェンマとアルド・クルード、撮影はフランコ・ディ・ジャコモ、音楽は「オルカ」のエンニオ・モリコーネ、編集はアントニオ・シチリアーノが各々担当。出演は「スキャンダル」のフランコ・ネロ、「O嬢の物語」のコリンヌ・クレリー、デイヴィッド・ヘス、ジョン・スタイナーなど。

1977年製作/アメリカ
原題:Hitch-Hike

ストーリー

イタリアの新聞記者ウォルター(フランコ・ネロ)はセクシーな妻イブ(コリンヌ・クレリー)と取材を兼ねてアメリカ中をキャンピング・カーで旅していた。結婚9年めのふたりは何かにつけ反発しあっていた。ネバタからロスに戻る途中、イブはヒッチハイクの若い男アダム(デイヴィッド・ヘス)を乗せてしまう。実は、このアダムという男は、警官を2人殺して逃走中の200万ドル強盗の犯人だった。夜が来て、ピストルでおどされ手足を縛られて身動きできないウォルターの前で、アダムはイブを犯し始めトレーラーの中に姿を消す。そのスキに縄を切ろうとしたウォルターの胸にアダムの銃がつきつけられる。がその時、トレーラーの戸口から、イブがアダムに向けてライフルをはなつ。自由になった2人は、200万ドルを持ってトレーラーを走らせる。後方から、ドライブ・インの若者たちがオートバイで追いかけてきて運転のジャマをした。2人がカーブにさしかかった時、車は崖下に転落してしまう。若者たちはウォルターのポケットの300ドルを狙ったのだ。200万ドルに気付かずに逃げていく彼等を尻目に、ウォルターは死にかけているイブをトレーラーからかつぎ出し、アダムの死体の隣に置き、ガソリンをまくと満足そうに火をつけた。200万ドルのケースを持って、ウォルターは道路に立ち、片手をあげて車を待つのだった。

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映画レビュー

3.5やっぱりネロなので、なんか裏“ジャンゴ”みたいでもある?

2023年9月9日
iPhoneアプリから投稿

割と最近になって再観したところ、考えてみたらどうもジャンゴのパロディのつもりなのか、これでは「逆ジャンゴ」な展開じゃないか?

それって、意外と気づいてるヒトいないと思う。

どうりでマカロニ調な、血生臭いシーンをワザとらしく入れてるわけです。(この頃のイタ系でも珍しくは無いが。)

ジャンゴはかつて恋人を失った傷心により孤独な独りぼっちの男で、悪人どもの間を上手く立ち回って金を独り占めすべく画策し、悪行が祟って失敗して金は全て失ってしまうが、再び人を信じ愛する心に目覚め、かつての正しい心を取り戻すという。

「悪銭身に付かず」な話。

こっちは美人で金持ちの奥さんも持ったそこそこ安泰な人生を生きてきた割と普通の男だったのが、犯罪に巻き込まれて悪人共と接触しているうち、次第に人生への不満や悪の願望が目覚めて、遂にはそれを抑えきれなくなって、愛情どころか元からエロさだけしか興味も無いような男だったので、この際、女房も利用して捨てて、金独り占めの自分一人の道を選ぶ。

「悪銭独り占め」なお話。

双方のストーリーの展開は完全に逆方向に進みます。

10年経って、アメリカの現代社会に姿を現したジャンゴは、真逆の人間となっていましたとさ!?

サスペンスやホラー系に、ワザと妙に明るかったり能天気な曲調の音楽を充てるモリコーネ氏の手法も健在也、って感じの映画でもありました。

(コリンヌ・クレリーのサービス・カットが盛られている分、作品としての評価は甘めになってます。)

因みに、メインの犯人デビット・ヘス氏はこの前にも『鮮血の美学』にて女子学生に付き纏った挙句、やっぱり“暴行”せずにはおれなかったのが仇となり、その親にバレて撃ち殺されてましたが、懲りないヒトですね(?)。

参考までに、‘77年なのでこれもSWの同期生ですね。
この作品辺りからネロ氏は、『ナバロンの嵐』とか『ダイハード2』とか、悪役も増えていったような気も?

いやあ、興味深い…….

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アンディ・ロビンソン

3.5ニューシネマの影響が色濃いイタリア産ヒッチハイク物。 旅行中の倦怠...

2018年7月14日
iPhoneアプリから投稿

ニューシネマの影響が色濃いイタリア産ヒッチハイク物。

旅行中の倦怠期夫婦が強盗仕立てのヒッチハイカーを乗せたことから地獄の旅行が始まる、よくあると言えばよくある展開であまり成功のないヒッチハイク物。
だが今作はキャラクターの個性とストーリー展開でかなり面白い仕上がりに。
こーいうのを見たかったぜーい!

フランコネロの眼力と容姿端麗なコリンヌクレリーのセクシーショット(とにかくエロい)を数多く見られるだけでも楽しめる。
合わせてアダム役のデヴィッドヘスの高笑いが妙に耳に残る笑い声で素晴らしかった。

金酒女に狂う男の哀れさがなんとも虚しい、ラス落ちまでしっかり楽しめるニューシネマーな一本。

安い激突の使い方も個人的には好き。
てか作品自体かなり人を選ぶ仕上がりだな。笑

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NORIDAR
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