ヒッチコックのファミリー・プロットのレビュー・感想・評価
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見つかったのは何が?その後、どうなるのか?分からず終わり。
テレビのヒッチコック劇場の特別版と言った所の作品だと思う。
ストーリー展開が複雑すぎて、勿論、相関関係もはっきりしない。
大変に残念な作品だと思う。しかし、古き良きアメリカの最後の映画の様な気がする。
だから、もう一度見た。矛盾点がいくつか残るが、要は偶然犯罪に巻き込まれるって言う現在では良く使われる手法。
テレビの番組として、1時間くらいに短縮して、構成すれば面白い話になると思う。
最後にバーバラ・ハリスカメラ目線でウィンクスするが、今までのヒッチコックの映画作品にはなかったと記憶する。最初で最後と言う事で、まさか、ヒッチコックはこれが遺作になることを知って、彼女にウィンクをさせたのか?
レインバードさんは78歳になって自分の後継者を探していた。最後のウィンクは『見つかったよ』と言っているように見える。
それが常連のヒッチコックのカメオ出演か?
最後にして傑作な謎である。フレンジーもそうだったが、ヒッチコックのカメオが消えている。
映画の王様ヒッチコック監督の映画演出の模範を示したシニカルなジョークとユーモアのストーリーテリング
最近の洋画を観ると刺激の強い表現が新しい感覚の様に取り上げられ、かつての構成力の高い映画の形体が単に古いだけの評価に止まるのには、どうしても納得できないでいる。勿論進化する映像の迫力を娯楽的な満足度で言えば、新しい映画に分があるのは明白であるのだが、映画演出の個性と技量の点では均等化しているのではないかと、危惧している。そんな意識でこの映画の王様(ヒッチコック監督の容姿や傑出した技量、そしてユーモアのセンスから個人的に尊称して)の53本目の新作を観ると、若い世代の人たちに映画の演出とはこうするのだよ、と教え諭すような老巨匠の技が見て取れる。流石に77歳の老齢ではパンチの効いたスリルやサスペンスを全盛期の様には創作できていないが、その代わりにヒッチコック監督だけの熟練された演出の味があり、1960年代後半の不振から復活した72年の「フレンジー」に並んで晩年の代表作に挙げられるであろう。
作品全体は、イギリス人ヒッチコックのシニカルなユーモアが支配している。それはバーバラ・ハリスが演じる主人公の偽の降霊術師ブランチの設定から、予想を裏切る二転三転の脚本のストーリーテリングにヒッチコック監督らしいユーモアがあって、大きな笑いは生まないもののくすくす笑える楽しみがある。登場人物は一癖も二癖もあるし、キャスティングは地味でも役者の演技は確りしていて不足はない。
ブランチの情夫のタクシードライバーのジョージが或る資産家の甥を探し出す依頼を受けるが、報酬1万ドルと聞いてやる気になり弁護士に化けて探偵に乗り出す。見つけ出したその甥は亡くなっていたと調査を進めると、実は宝石商を生業にして生きていたと知るが、これが表向きで実際は身代金誘拐の常習犯アダムソンという。そこから、この男が妻のフランと組んでブランチとジョージの二人を始末しようとして知人のガソリンスタンドの経営者マロニーに殺害を依頼するが、間抜けにも未遂に終わるどころかマロニーは自滅してしまう。といったお話が冗談と深刻さを併せ持った皮肉で展開していく。そしてブランチがアダムソンに遺産相続のことを打ち明けたときは誘拐事件の真っ最中というのが、皮肉が効いている。二組の男女が入り乱れての騙し合いと欲の皮を突っ張らせた人間の可笑しさ。それを楽しみながら演出しているヒッチコック監督の満足げな表情が、ラストの宝石を見つけてウインクするブランチに見て取れる。
演出で光るのが、マロニーにブランチとジョージが誘い出される郊外の喫茶店のシーン。ヒッチ監督は観客にマロニーが来たことを教えるが、待たされている二人が注視する喫茶店のドアからマロニーは現れない。ブレーキの細工を示唆するこの演出は、観客に予測させて主人公ふたりの身の危険を知りながら教えられないもどかしさを狙っている。それが、その後の坂の道を暴走する窮地のスリルを増幅させている。観客に何を見せるか、ショットをどう繋げてイマジネーションを刺激するかを知り尽くしたヒッチ監督の匠のモンタージュだ。ここに映画だけの模範的な表現が凝縮されている。
1977年 3月13日 池袋文芸坐
結果的に、この作品がヒッチコック監督の遺作になってしまった。偶然かも知れないが、戦後アメリカ映画を支えた巨匠の代表者ヒッチコック監督が亡くなって、映画に対する見方も評価も変わってしまった。特に娯楽映画に関しては、1978年に公開された「スター・ウォーズ」のジョージ・ルーカスと「未知との遭遇」のスティーヴン・スピルバーグの活躍により、SF物やファンタジーに主力ジャンルが移行して今日まで来ている。その時代の大きな転換期が1980年頃になると思う。個人的にも、それまでクラシック映画からジャンルを問わず観てきた私も社会人となり、仕事、結婚、育児(と言って今のイクメンには遠く及ばないが)に追われて映画とは距離を置くことになる。だからここ40年の映画については、自信を持って論じることは出来ない。絶対数が少なすぎるからだが、唯一の拘りは、古い映画の良さなら語れるし、その美点を新しい映画にも見つけることが出来ることぐらいかも知れない。
カーアクション?あります
2021年11月27日
映画 #ヒッチコックの #ファミリー・プロット (1976年)鑑賞
#アルフレッド・ヒッチコック 監督の遺作
サスペンス作品なんだけど、コメディっぽい要素も散りばめられてるので、気軽に見れる作品
主演が、#カレン・ブラック となってるけど、いちばん有名だからかな?違和感あった
ヒッチコック最後の作品は、小品のコメディ。
Blu-rayで観賞。
ヒッチコック最後の作品。
スター俳優は出ていない。
美男も美女もいない。
二組の犯罪者カップルの物語なのだが、片方は誘拐によって身代金に宝石を奪い取る悪党で、もう片方は霊能力者のふりをして占い料金を騙し取る小悪人だ。
小悪人カップルが金持ちから人探しを依頼され、行き着いた先が悪党カップルだったという物語。
ファミリー・プロットを直訳すると「家族の筋書き」なので、家族間の人間模様にまつわるスリラーかと思いきや、「一族の墓」という意味らしい。
初観賞時の印象はつまらなかった。多分中学生くらいだった。
テレビの洋画番組で放送されるヒッチコック映画は、もっと面白かったからだ。
Blu-rayもボックスに入っていたから買っただけで、単品だったら買わなかった。
が、観かえすと細かいところが面白い。
なにより、小悪人カップルの会話の下ネタがヒッチコック作品では珍しい。
悪党カップルも、なかなかのドジぶりだ。
ヒッチコックのウィットが他の作品よりも相当多く挿入されていて、大人のコメディサスペンスになっている。
山道のカーアクションは、今観てもスリルがある。
宝石の隠し場所がユーモラスで、それがラストシーンに繋がるあたりは、サスガだ。
今となっては「面白い映画はこういう風に作るんだよ」というヒッチコックの遺言映画になってしまった…
映画作りの巧さは相変わらずだけれども、ヒッチコック映画としては軽量級と言わざるを得ない。でも実はヒッチコック映画で一番好き❤️
ヒッチコック映画の終着点にふさわしい
二組のカップルの二つのストーリーが交差する
これを映像でスマートにやってみせるヒッチコックの映画作りのプロの技にうなった
今回はブロンド美女も大スターも無し
無名俳優のあまりパッとしない容姿の俳優を敢えて使ったところが新味を出そうとしたポイントかもしれない
はっきり言って不細工なヒロインのブランチがチャーミングに見えてもくるから不思議
タクシー運転手のジョージも下流の学の無さそうな下品な顔
誘拐犯の女性もブロンド美女と思わせてじつはそれなりの年増
主犯の男もなんだかチャールズ・ブロンソンのパチモノぼい
このポンコツさでこの映画は実はコメディだと説明しているわけだ
ブランチのウインクで締めくくる見事なラストシーンはヒッチコック映画の終着点にふさわしい
ユーモアとウイットあってこそヒッチコック映画なのだ
ヒッチコックの遺作としてふさわしい作品
そしてラストシーンであった
最後にひとひねりほしい
「スキのない犯人だ」と嘆くシーンは笑ってもよかったのでしょうか・・・スキだらけだったのですが。警察が出てくるシーンは何かコミカルだ。
1万ドル欲しさに跡取探しに奔放するブランチ側と、宝石泥棒がバレたと思い危機感を覚えたアーサー側。状況が掴めない者たち同志が色々と画策する面白さ。坂道でブレーキが利かなくなった車のシーンは、合成だとすぐにわかるのにスリル満点でした。
けっこうよかった
霊媒師とその彼氏が可愛らしかった。女が変装して無言で相手と交渉して完全犯罪を成功させているところもかっこよかった。現代では通用しない手口で、つい、これから完全犯罪の表現はどうなっていくのだろうと思いを馳せた。
二つのお話がどう繋がるのだろう?なるほど。さすがはヒッチコック。 ...
二つのお話がどう繋がるのだろう?なるほど。さすがはヒッチコック。
サスペンスというよりコメディの本作。あわや事故?の車内のシーンが最高潮、笑えます。
インチキ霊媒師(まあ霊媒師なんてほぼ100%インチキですね)がキュートですが、私的に好きな役者がおらず、劇的にはのめり込めず。
ヒッチコックの遺作ということで価値ある作品かと思います。
ところでラスト、霊媒師は本物だった?やっぱりインチキ?考えるのが楽しいですね。
軽快なサスペンス
お金欲しさに素性を隠して動き回る二組のカップル。
後ろめたさから空回りする変な勘繰り。
インチキ霊能者Blancheとタクシー運転手Georgeは、結果的に依頼主の要望を叶えたので、まぁ憎めないのかな。
Shoebridge家に火を放ったJoeは燃え盛る車内で最期を迎え、誘拐犯達は監禁部屋に捕らえられるといった、因果応報的な運びでした。
Georgeは探偵業に専念すべきと思うくらい頭の良い人でした。ウザいくらい振り回すBlancheが一枚上手でしたが。
ここで笑いを取りたい!という演出が見え見えで、スリルのセンスはあってもお笑いのセンスはなかったのかなぁ…。当時は成立したかも知れませんが、プロットは穴だらけで現代では通用しないかなと思いました。
偉大な監督のユーモア溢れる遺作
ヒッチコック監督の遺作。
『鳥』以降からの彼の作品は、やっぱり好きになれません^^;
あえてレビューを書きませんでしたが、先日観た『フレンジー』には正直がっかりしました。
自分はハットコックという名の通り、彼が大好きなので、余計に残念です。
しかし本作は、ユーモア溢れる雰囲気にサスペンスを混ぜ合わせていて、とても楽しめました。クライマックスにはドキドキしましたね!
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