引き裂かれたカーテンのレビュー・感想・評価
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冷戦時代のスパイものの代表的な作品。スパイは素性と本当の目的を隠し...
冷戦時代のスパイものの代表的な作品。スパイは素性と本当の目的を隠しながら行動するが、その醍醐味で物語を引っぱっていく。ポール・ニューマン演じるアメリカ人科学者が東ベルリンに亡命。そのことを婚約者にも隠して行動していた主人公だが、後をつけられてしまい、婚約者も亡命することに。国を裏切る行為に失望する婚約者だが、主人公の真の目的は東側の物理学者から核に関する秘密を聞き出し、脱出すること。婚約者がついてきてしまったことで、主人公は計画の変更が必要になり、事前のプランが崩壊していく。愛情劇とスパイとしての任務が交錯する展開がとても見事。任務と恋人、どちらも大事という葛藤がスリルを作る。時折、もっと慎重に行動してくれと思う場面もなくはないが、ロマンスとサスペンスに溢れて楽しい一作。話の構造がすごく勉強になる。こうすればドラマとスリルが発生するんだなと勉強になった。
ユーモアや脚本の妙には欠けるが、後半は見応えたっぷり
ヒッチコック作品の中では比較的新しい部類だが、知名度に欠ける一作。「サイコ」や「裏窓」などの傑作をキャリアの頂点とすると、これをどう評価するか専門家の間でも意見が大きく別れる。で、私はというと、前半はやや退屈しながらも、後半は歓喜しながら観た。
物理学者が東ドイツに亡命するところから始まる本作は、ポール・ニューマン演じる主人公が胸中で何を企てているのか判然とせず、疑心暗鬼に陥りながら彼の後を追い続けるジュリー・アンドリュースの立ち位置も煮え切らない。しかしそうやってフラストレーションを溜めながらも、後半は一気に伏線を回収し、ギミックといい、アイディアといい、脇を支える登場人物といい、これぞヒッチコック映画というべき品質を取り戻す。
ヒッチコックがこれほどの人気俳優を起用したのも珍しい。とりわけアクターズスタジオ出身のニューマンとのコラボには、良かれ悪かれ、新時代の風をひしひしと感じる。
スリラーもサスペンスも十分
鳥とフレンジーの間の三作はあまり評判良くないようですが、これはかなり面白いです。
前半のサスペンスから後半のスリラーまでヒッチのテクニックが満載です。
但しスリラーを詰め込み過ぎて、全体的にメリハリがやや不足しているように感じました。
しかし、ヒッチにニューマン先輩は違和感ありますね。
引き裂かれたカーテン
この映画はポール・ニューマンが演ずる主人公(科学者)が、周囲の敵に振り回されますが、しかし、左よく派閥の応援で、国境を越えて、逃げ切る(脱出する)、娯楽的作品。
特に、フランチェスコダリミニ(チャイコフスキー作曲)が音楽のバレエのシーン、次に、バスの車外を凝ったスクリーンプロセスで見せる、国境を越えるシーン、は、ヒッチコック映画はやっぱりいいな、と思わせる、一級の仕上がりです。
従って、すぐれた社会派映画で、バカに出来ません。
Ed.Ian (←ペンネーム)
堂々たる緻密な粗削り
ヒッチコックが織りなす知恵工夫が満載の欲張った一作だと思います。いつの世も引き続く主権者による醜い争いや戦いのいっぽうで、したたかな反骨庶民もしっかり居て、総合的にバランスはとれているハズ・・・ということなのかなあと。そしてヒッチコックが最新現代で表現するとしたら何とするかなあと思い至りました。
映画でハラハラドキドキしたのは久しぶり
自分の鑑賞歴の中では、最も若いポールニューマンだった。
脇役まで演技が上手く、次から次にピンチが訪れる脱出劇に観ててひきづり込まれた。
芸術作品としての映画というより、ハラハラドキドキのサスペンス映画として
非常に面白かった。
劇場でも、船からの脱出でももうダメかと思わせ、
どう逃げるかと思っていたが、そうきたか!という感じ。
緊迫の路線バス
ヒッチコック監督作品で、ポール・ニューマンとジュリー・アンドリュースが共演されていたとは驚きでした。
主演二人に関わるキャストのキャラか濃く、緩めの展開ながらも、なかなか楽しめました。
NHK - BSを録画にて鑑賞(吹替版)
印象的なポールニューマンの青い瞳
ポールニューマン扮するマイケルアームストロング教授は、ジュリーアンドリュース扮するサラシャーマン教授と恋仲にあった。ところがにわかにマイケルは講演を止めてストックホルムへ行くと言った。しかし、サラがホテルフロントに確認したところ、マイケルのチケットは東ベルリン行きだったのでサラは黙ってついて行った。
怪しげな雰囲気の中で展開されていくが、スパイ仕事をするのに彼女がついてきては困ってしまうね。タイプの異なるポールニューマンとジュリーアンドリュースの共演は珍しいんじゃなあかな? ポールニューマンの青い瞳が印象的だったね。スリルがあってなかなか面白かったよ。
元祖ジャック・ライアン?
カーテンというからサイコスリラーの名作「サイコ」の名シーンを連想して怖い映画かと思い込んでいたがジャック・ライアンもどきのスパイものだった。むしろ婚約者が巻き込まれる「エージェント:ライアン」の方が本作をインスパイアしたのだろう。
スパイものといっても主人公は学者だから派手なアクションは無い、と言うよりたった一人を始末するのに悪戦苦闘、リアルに人を殺すのがいかに大変なことかをつぶさに描写して見せる演出はさすがヒッチコックと感心した。
東西冷戦の最中、ミサイルの最高機密が頭の中の数式では蛇の道は蛇、学者エージェント登場の必然性をよく見つけました、感心したのは人物描写、それも女性の描き方、愛と信念の狭間で戸惑う主人公のフィアンセ、プライドを傷つけられ根にもつプリマドンナ、レジスタンスでも命がけの農婦や保健師の反面、錯乱するバスの女性など人それぞれ、奇妙な伯爵夫人などそのバリエーションの豊かさ、対比は素晴らしい。
「サウンド・オブ・ミュージック」の清楚なヒロインのイメージのジュリー・アンドリュースのいきなりのベッドシーンには当惑したが冒頭のラブラブ・シーンの役割は展開につれ氷解、主人公の真意は彼女も観客も知らないから一緒になって心が揺れる、設定だけで2時間を退屈させない脚本と演出、さすがヒッチコック監督作品と再認識した名作でした。
安心できないよ
かなり濃い脇役が多数出てきてなかなか見応えのある作品でした
見ていて三谷幸喜作品を思い起こさせ、あ〜きっと彼はこの作品にも影響を受けているのだな〜などと思ってしまいまして
ヒッチコック作品は数々見てきましたが何故かこの作品は今まで全くと言っていいほど知りませんでした
ポール・ニューマンもジュリー・アンドリュースも好きな役者さんなのに何故なのだろう
調べてみるとどうやらこの作品はあまり評価がよろしくない様子
何故なのかは知りませるし知りたくもありません
自論ですが映画とは世間や人の評価で見るのではなく実際に自分で見て面白いかそうじゃないかだけです
したがってみる前にレビューを読んだりもしませんし見てからもあまりレビューは読みません
見終わってどおしても分からなかったり理解できない時に活用しています
ただそのような映画の探し方だとなかなか面白い作品を見るチャンスが少ないのも確かなのですがま〜コレも出逢いなので仕方ありませんね。
次は『マーニー』を捜して観なければなりませんね。
でわでわ
素人スパイの奮闘劇
Blu-rayで観賞。
東西冷戦時代を背景としたスパイサスペンス。
ヒッチコックは本作を'66年に発表した後、'76年の引退作『ファミリー・プロット』までに3作品しか発表していない。
つまり、本作は晩年期の作品と言える。
映画の序盤では主人公ポール・ニューマンの行動の意図が隠されていて、恋人のジュディ・アンドリュースと我々観客が彼に疑念を抱くように仕掛けられている。
中盤、ニューマンの目的が観客には明かされ、今度はアンドリュースだけが事情を知らない状態となる。ここから観客はニューマンと緊迫感を共有する。
そして、アンドリュースに事実が伝えられ、作戦遂行と脱出のスリルがテンポよく展開される。
考えられた物語構成。
作戦の目的である敵方の物理学者が解いた公式は、いわゆるマクガフィン。
この公式を聞き出す駆引きのサスペンス、そして脱出道程の危機また危機に楽しませるアイディアが満載だ。
晩年の作品らしく、手練れの演出が随所にある。
ニューマンを俯瞰で追っていたカメラの位置がスーっと下がると、監視役の男が柱の陰に隠れているというシーンのワンカット。
ニューマンがアンドリュースに真実を告げる様子をロングショットで見せた後、アンドリュースのアップで彼女が理解したことを示すシーンに台詞はない。
特筆すべきは、ニューマンが監視役の男を殺害するシーン。
素人が人を殺すことの難しさを表現しているのだが、そこに滑稽さを加えているのがヒッチコック流だ。
絶命の瞬間を両手の動きで表していているのも、実に面白い。
ヒッチコックの苦労が窺われる作品。
1960年代のヒッチコックは、アメリカ映画界から冷遇されていたかのキャスティングが目に余る。名作を連発した50年代は名優や人気スターがいたのにどうしたことかと。まして、他の誰よりも女優を美しく撮るヒッチマジックが、「鳥」「マーニー」のティッピ・ヘドレンでさえ楽しめていたのに。
今作のポール・ニューマンとジュリー・アンドルースの新たな魅力が無いわけではないが、弱い。前半と後半の組み立て方に、構成力不足を感じる。ヒッチコックの演出は相変わらず絶品でも脚本が良くない。
何ら失敗作ではない、もっと評価されるべきだ
面白い
所々突っ込み処はあれど全体としては大変に良くできたスパイ映画だ
何ら失敗作ではない、もっと評価されるべきだ
型にはまったヒッチコック映画を期待して観ればそうではない内容だから正当な評価をされていないと思える
ジュリー・アンドリュースとポール・ニューマンの主演は映画会社が勝手に決めたものだという
ヒッチコック50作記念、ユニバーサル映画50周年記念作品の肝入りだったとのこと
ヒッチコックもこの配役ではやりにくだろう
だいたいヒッチコックの好みではない俳優だ
演じている二人も乗っていないのが伝わる
だいたい歌も歌うシーンも無いのになぜジュリー・アンドリュースを使わねばならないのか?
なぜ彼女なのか?
メリー・ポピンズ、サウンド・オブ・ミュージックで売れたからだけじゃないのか
ヒッチコックの憤慨ぶりが目に浮かぶ
ポール・ニューマンもヒッチコックの意図などお構い無しに彼なりの演技を主張ばかりしていたに違いない
ヒロインは最低ブロンド美人にすべきだった
ジュリー・アンドリュースは小学校の先生か家庭教師には見えても世界的な数学教授にはとても見えない
ポール・ニューマン扮する主人公ももっと科学者に見える役者があったろう
しかし、脚本は良く練られており、ヒッチコック流のユーモアもウイットも効かせてある
終盤で大きな役割のある年増のバレリーナは、始めの方の東ベルリン行きの飛行機でヒロインの隣に座らせておりマイケルの顔を覚え反感を持たせる伏線をはり、タラップを降りるシーンはラストシーン間際で今度は船のタラップで再現して笑いをとる
実にヒッチコックらしい
脚本は練り過ぎて数人の手にまたがってしまい、その為にクレジットに揉めてしまったに過ぎない
音楽は本作製作中にバーナード・ハーマンと対立し途中で音楽をジョン・アディソンに差し替えしている
どこを巡って対立したのか?
農場で東ドイツの情報部員との殺し合うシーンが無音で続く印象深いシーンがある
そこに音楽をつけるか付けないか
その対立だったのでは無いだろうか?
無い方が緊迫感は断然優れていると思う
カーテンとほもちろん鉄のカーテンのこと
ベルリンの壁の崩壊と共に消え去った
では21世紀の現代では鉄のカーテンは昔の話だろうか
そうではあるまい
より巧妙なカーテンが引かれている
チベット、ウイグルの実情はどうか?
中国の国民は自由に国外に移動できるようで、情報は金盾というカーテンで遮断され、彼らの言論行動は厳しく監視されている
この物語は昔話ではないのだ
何だかつまらないヒッチコック映画。米ソのスパイ戦争も激化していた頃...
何だかつまらないヒッチコック映画。米ソのスパイ戦争も激化していた頃なのでしょう。その中でもアメリカがせこいスパイをするという設定は面白いかも。
期待しなければ悪くないはず。
最初の30分は演出にキレがあって緊張感がでてて素晴らしいと思った。それから急に冴えない演出に成り下がり・・・アクションシーンは会社からの要請かなぁ・・・非常にブサイクな演出だった。
感情移入という意味では主人公は自分から飛び込んだリスクなのであまり助かってほしいという感情も湧いてこず・・・ってか配役が合ってないと思う。男はハンサムすぎ女は色気が無さ過ぎる・・・この配役は会社の要請じゃなかろうか・・・
しかし酷評されるほどひどくはない。ドイツからスウェーデンまで籠ってのは頂けないが、それ以外は悪い脚本でもない。会社の要請さえなければいい作品になっていたかも知れないと思った。
まあまあだった
ピュアな科学者のおじいちゃんを騙しているところに胸がいたんだ。
「火事だー」でそんなパニックなるか?と思ったし、駕籠に入れられて何日も過ごすのは無理だ。トイレや食事、体も痛くなってしまうだけでなく、エコノミー症候群になるのではないだろうか。
バレエのおばさんの顔が非常に味わい深かった。
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