ピアノ・レッスン(1993)のレビュー・感想・評価
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ニュージーランドとピアノの音が素晴らしい
有名だけどエロくてなんか大人の話らしい。
と勝手に思ってたのがもはや四半世紀以上前。
大人になってだいぶ経ちようやく観ると、
それはエロという表現でなくて
官能的な作品であった。
ピアノの有名なテーマ曲も勿論よいのだが、
映像美というのか、印象的なシーンが多く惹きつけられた。
写真みたいなワンショットが綺麗。
あのMr.ホワイトだったハーベイカイテルを上回る狂気の沙汰の主人公エイダがインパクト凄すぎ。
海に沈むピアノと心中するつもりにみえたけど、沈んだ自分を捨てて生きることを選んだ強すぎるエイダ。
女は簡単に死を選ばない。
こういう映画ってそうそうないのかもなあと思った。
弱い心を克服して、自分の為に生○○○を選ぶ♥
なんて馬鹿な男どもなんだろう。男なんてこんな者。
馬鹿な旦那は、拒絶される意味が分からず、馬鹿な間男は、中途半端な愛しか与えていない。
つまり、結論はそう云う事だ。
が、しかし、もう一捻りあった。
やはり、そこには女性の賢明な気持ちと判断がある。
物欲が静寂の中に没して、真実の愛に変わるってことだなぁ。
傑作だ。
やっぱり、女性の監督だ。
クラシック音楽をほとんど使わず、ちょこっと、ショパンの
『英雄ポロネーズ』
洒落ている。
ピアノは彼女の本性?
はじめはセクハラだと思ったんですけど。
求められていく事で徐々に官能に目覚めていったんでしょうね。まあ、手っ取り早く言えば、惚れちゃったっていう事?
ラスト、ピアノと心中して終わるのかと、本当に怖かったです。
ピアノと肉欲
ピアノ・レッスンをしてくれればピアノは返すと言うベインズ。実は弾く気など全くなくて、エイダ(ハンター)の弾く音色を聴いているだけで満足・・・しかし、妻には逃げられていたベインズは色欲が湧き、次第にエイダの肉体を求めるようになっていく。
エイダには愛するピアニストの男との間にフロラ(アンナ・パキン)がいて、事故により男は死に、エイダはそれ以来言葉を発することができなくなっていた。そんな女性であっても妻に招いたスチュアート(サム・ニール)も好感が持てるのだ。
エイダの愛を得られないと思ったベインズは、黒鍵の数だけのレッスンという契約も途中でやめピアノを返す。嫌がってたように見えたのに女心はわからない。次第に愛が芽生えていた彼女はそそくさとベインズの元へと駆けてゆく・・・
妻の浮気に気づき目撃するスチュアートであったが、それでもエイダを愛するコキュ。家に閉じ込めるものの、信じた彼はエイダがキーにメッセージを焼き、娘を使ってベインズに届けさせるのだが、それはスチュアートの元へ・・・怒るスチュアート。なんとエイダの指を切り落としてしまうのだった・・・
全ては海辺に置き去りにしたピアノが原因なのに、エイダのピアノを愛する気持ちを理解できなかったのだ。ベインズと共に島を離れることを許すのだが、虚しすぎるぞ、このやろ。
音楽映画を期待していたのに中心は愛憎劇。中心になる3人の想いが理解できなかったのだけど、最後の展開によってそれぞれの心がよくわかるようになってるのも不思議なところ。
贅沢でエロチックな映画
衣装と音楽と世界観が好きで見ました。衣装のドレスってあんな風になってるんだと感じました。相手役の俳優さんのオールヌードは腹が出てるとか鍛えてないとか言いますがこの映画は別にマッチョでなくてはならない訳ではないので自然体で良かったです。浜辺でピアノを弾くシーンと娘のダンスがマッチしていて良かったです。まあラストは仕方がないですね、旦那としては無傷では渡したくなかったのもわかります。あれはあれで良かったのかなと思います。
美しくて残酷で切ないお話
本当に美しくて残酷で切ないお話。
愛しているなら明日も会いに来てくれと言うベインズがとても健気でさみしそうで心に来た。エイダが心と裏腹に観劇の時に、ベインズにスチュワートと手を繋いでいるのを見せつけ、隣に座るベインズはこれ以上近づくなという素振りを見せるところとかも男女の心情がリアル。
指を切られてもベインズに会いに行こうとするエイダも痛々しくて涙が出た。愛するってこんなにも無我夢中になれるものなんだな。
一番かわいそうなのは愛されなかったスチュワートだけど。
映像も曲も綺麗だったし、斬新な作品だった。
衝撃を受けた作品です。
独特な世界観
最初から最後まで、独特な世界観だった。
始まりの感じは、ストーリーはわかりにくい。
でも掴めてからは、世界に引き込まれる。
見ている側も、エイダって何者なの?って感じで興味をそそられる。
娘がいることで、不気味さは緩和されている。
独特な雰囲気ではあったけど、ストーリーにいつの間にか集中する。
ピアノと一緒に引き落とされておしまいかと思って、
なんか、、、ほんっと、すっごい世界観を貫く映画だな、と思ったけど、、、
なんとかモヤモヤ終わりは回避できてよかった笑
(モヤモヤ終わりがあんまり個人的に好きではないから)
発声の練習をしてるとこも健気でよかったし、
あんなに包み込むように愛してくれるベインズに、
素直に「いいな」と思った。
すごく、あの2人が愛し合ってる姿は、美しく、羨ましく感じた。
名演技
見知らぬ土地にやって来た母娘。
母親は口がきけなく、おそらく未婚。
そのため未開の土地に嫁ぐような縁談でも父親が決めてしまう。
ピアノに理解の無い新しい夫より、ピアノを聞きたがる現地人に同化しているような男にしだいにひかれていき…。
全体的に暗いトーンで静かに綴られていく映画ですが、俳優たちの名演技のおかげであっという間に見てしまいました。
特にホリーハンターが、頑固で少女のような母を絶妙に演じています。
終盤ちょっとした事件があり、一気にラストに
向かうのですが、
このラストにはいろんな考え方があるかもしれません。
私は、エイダの本心からの笑顔をやっと見られたような気がしたので好きですね。
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