ピアニストを撃てのレビュー・感想・評価
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女性陣がすてきな、小粋な映画
シャンソン歌手のアズナヴールが主演ということで、当時は話題になり観客を集めたのだろうか。 作品の中では彼はモテすぎていた。女としてはそこにすこし違和感を感じる。でも、この映画はもともと男性向きかなと思うから、女の立場から細かい事は問わないでおきたいと思う。笑 全体的には娯楽的に観れる映画だけれど、人生を感じさせ、粋なユーモアもあり、洒落ていると思った。 何よりよかったのは、女性たちが皆うつくしく映し出されていたこと。それも彼女らは皆、姿かたちだけでなく、こころ根が美しい。彼女らには、それぞれ包容力や愛情がある。男の勝手な理想像が描かれていると言ってしまえばそれまでだけれど、彼女らは、女のわたしからみてもなかなか素敵で、見ていると心が洗われる気がして好感が持てるから、歓迎したい。そのステキな女たちを幸せにしてやれない男の、ジレンマと情けなさがなんとも言えない。 最初の通りすがりの男が結婚につ…続きを読む
トリュフォーの繊細なタッチに滲む映画愛
トリュフォー監督の初期の佳作。恋愛ものとギャングものを一緒にして映画作りを楽しんでいるトリュフォー監督の趣向が、ヒッチコック監督に近いものを感じさせる。危うい登場人物と背景ながら、トリュフォータッチが映画通には堪らない味わい。
トリュフォーらしさ溢れるフィルムノワール
シャルル・アズナヴール主演、本作主演時36歳 世界的な大シャンソン歌手にして映画俳優でもあった その94歳での突然の死去は世界中を驚かせ、その葬儀はフランスの国葬として執り行われたほど その歌は誰しも耳にしたことがあるはず しかし本作ではピアニストとしての役であり、歌は歌うことはない にしても主人公の虚無感を漂わせた風情を巧みに演じてみせる 主人公の兄のようにエキセントリックな性格で有名なアルメニア人の主人公がこのような虚無感を漂わせているところがみそであり、それを本人自身がアルメニア人移民の子である彼がそのギャップ感を見事に表現している トリュフォー監督の長編第二作 フィルムノワールの娯楽作品を撮って映画業界で食っていく意志を表しながら、ヌーべルバーグの若々しい感覚で気概を示している 導入部の巧みな入り方 主人公が虚無感に支配されるにいたった原因の女性の記憶と現在の女性を、ベッドシーンで…続きを読む
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