劇場公開日 1963年7月23日

「女性陣がすてきな、小粋な映画」ピアニストを撃て あま・おとさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5女性陣がすてきな、小粋な映画

2024年6月21日
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鑑賞方法:VOD

シャンソン歌手のアズナヴールが主演ということで、当時は話題になり観客を集めたのだろうか。
作品の中では彼はモテすぎていた。女としてはそこにすこし違和感を感じる。でも、この映画はもともと男性向きかなと思うから、女の立場から細かい事は問わないでおきたいと思う。笑

全体的には娯楽的に観れる映画だけれど、人生を感じさせ、粋なユーモアもあり、洒落ていると思った。

何よりよかったのは、女性たちが皆うつくしく映し出されていたこと。それも彼女らは皆、姿かたちだけでなく、こころ根が美しい。彼女らには、それぞれ包容力や愛情がある。男の勝手な理想像が描かれていると言ってしまえばそれまでだけれど、彼女らは、女のわたしからみてもなかなか素敵で、見ていると心が洗われる気がして好感が持てるから、歓迎したい。そのステキな女たちを幸せにしてやれない男の、ジレンマと情けなさがなんとも言えない。
最初の通りすがりの男が結婚についてシャーリーに語る場面が、全体を通すと粋に思えてくる。誰でもできそうな平凡にみえることが、意外に実はなかなか難しいのだろうと思えてくる。

楽しめば良い映画だとおもう。
でもさりげなく人の世の本質が詰まっている。

あま・おと