万事快調

劇場公開日:

万事快調

解説

ヌーヴェルヴァーグの旗手ジャン=リュック・ゴダールと、政治映画作家でゴダールにとって毛沢東主義の師でもあるジャン=ピエール・ゴランが、映画形式において新しい政治性を追求した革新的な政治映画。主役には政治的戦略として国際的なスターを起用し、「恐怖の報酬」「Z」などのイヴ・モンタンと、「バーバレラ」「ジュリア」のジェーン・フォンダ。共演は「地下鉄のザジ」のヴィットリオ・カプリオーリ、当時のゴダール夫人だが本作の後まもなく別れたアンヌ・ヴィアゼムスキーほか。ゴーモンとパテという大映画会社の出資で製作した本作でゴダールは久々に劇場用映画に復帰したが、この映画で出会った新しいパートナーのアンヌ=マリー・ミエヴィルとともに再び映画を離れ、ビデオに新しい表現領域を模索、その後79年の「勝手に逃げろ/人生」まで劇場用映画を撮っていない。

1966年製作/95分/フランス・イタリア合作
原題または英題:Tout va bien
配給:広瀬プロダクション
劇場公開日:1996年7月20日

ストーリー

映画の企画を話し合う男女の声。「映画を作るにはお金が必要だ」という声で小切手を切る映像。スターを出そうということでイヴ・モンタンとジェーン・フォンダの主演、フランスのある都市、労働者がいて、ブルジョワがいて_。アメリカのラジオのフランス特派員スーザン(ジェーン・フォンダ)は、夫のジャックを連れて食肉工場サリュミ社の社長(ヴィットリオ・カプリオーリ)にインタビューに行くが、その日の朝から無期限ストが始まり、一部の労働者が社長を監禁していた。二人も一緒に社長室に閉じ込められる。組合指導部はこの監禁を極左過激派の仕業と批判、解散を呼びかけるが、労働者たちは耳を貸さない。スーザンたちは社長の俗物ぶりにうんざりし、労働者たちから酷い労働条件のことなどを取材する。ニュースでストが機動隊の突入で終わり、社長が五日ぶりに家に戻れたと報じられる。ジャックはCMフィルム演出の仕事に復帰する。彼は映画監督だが、1968年5月以降は商業主義的な映画を拒否し、CM専門で仕事しながら政治映画など自分の企画を温めている。一方スーザンの工場についてのレポートは没になり、彼女は自分の仕事に行き詰まりを感じ始める。二人の夫婦仲も険悪になり、スーザンは夫と口論の末アメリカに戻る話があることを告げた。<現在1>ジャックは工場地帯を取材しながらスーザンとの口論、工場での体験に思いを巡らす。思考はついに五月革命に及び、彼は新しい形式と内容による映画を撮る決意をする。<現在2>スーザンは巨大なスーパーマーケットを取材している。共産党員が党の本をバーゲンで売っている。そこに新左翼の若者たちがやってきて党員を吊し上げ、マーケットの解放を宣言して客にただで商品を渡す。機動隊が突入する。<現在3>カフェのジャックの元にスーザンが、カフェのスーザンの元にジャックがやって来る。だがこれは普通の映画ではないのだからと男女の声がシーンを説明し、皆が真に歴史的な視点をもって映画を作るべきだと宣言する。

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(C)1972 Gaumont

映画レビュー

2.0ゴダールと政治3️⃣

2016年6月6日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

知的

難しい

工場でのストライキにコミカルな演出が冴えドールハウス的な壁が無い丸見えの建物。

ラストの入れ替えの演出などゴダール的な実験的な映像が印象的。

物語があるようで全く無いようで。

ジガ・ヴェルトフ期のゴダールには理解に苦しむ程に頭がついて行かない!?

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万年 東一