劇場公開日 1998年6月6日

遙かなる帰郷のレビュー・感想・評価

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2.0何がプリーモ・レーヴィを自殺に追いやったのか…

2025年7月28日
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鑑賞方法:DVD/BD

TVのドキュメンタリーでプリーモ・レーヴィ
のことと、この作品の存在を知り、初鑑賞。
アウシュヴィッツからの帰還した
著名人としては、
「夜と霧」のヴィクトール・フランクルが、
つとに有名だが、この本を読んだり、
関連するドキュメンタリーを見ている内に、
フランクルの著書には幾つかの創作がある
ことを感じていた。
それは、彼は回想録で、4歳にして
“自分もいつかは死なねばならない…
人生の無常さがその意味を無に帰してしまう
のではないか”
と悟ったとしたとの話や、
破壊されたシナゴーグの天井の破片にあった
“モーゼの十戒の文字に神の啓示を感じた”
とか、果たしてそんなことがあるだろうかと
感じざるを得ない、彼の文章には
強い修飾癖があるように思うからだった。

そんな中、せっかくアウシュビッツから
生還したにも関わらず、
世の中がまた似たような状況に推移している
ことを感じて自殺したとされる作家レーヴィ
(事故死との見解もあるようだが)
の人生に興味を覚えて観てみた。

しかし、この映画の内容は、
私がドキュメンタリー番組で興味を惹かれた
郷里に戻ってからの彼を描くものではなく、
強制収容所解放から郷里に戻るまでに
心の平和を取り戻すレーヴィを描いた
とするものであって、
しかも、それをどうしても捉えきれない
私にとっては難解な作品に。

それは、長々としたソ連兵士との描写が
私には理解不能だったり、
また帰郷の仲間となるメンバーとの関係を
理解するのも容易ではなく、
実話をベースとしているからかも知れないが、エンターテイメント作品としては、
多少省いたり創作したりして、
もう少し分かりやすく整理編集して
欲しかったように感じた。

この作品は、地味な内容ながら、
キネマ旬報ベストテンで満点評価をした
選考委員が3人もいて、
結果14位に選出という高い評価を受けた。
それなのに、レーヴィがアウシュビッツ解放
から郷里にたどり着くまでに
取り戻した心の平和を描いたと
評価された点において、彼のそんな徐々感に
私はその変遷を感じ取ることは出来ず、
己の洞察力の未熟さを突き付けられた
ような鑑賞だったのかも知れない。

それにしても、この映画の企画が
プリーモ・レーヴィの自殺の一因となった
との話や、
彼の自殺の数年前に
イスラエルによるレバノン侵攻があり、
同胞との軋轢に苦悩していたとの
情報もあり、
私にとっては、彼の苦悩と自殺の真相が
なんであったのかが、
更なる謎となる鑑賞となってしまった。

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KENZO一級建築士事務所

1.0イタリア人のロシアでの映画なのになぜ英語なのか?

2024年2月26日
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マサシ

4.5書くことは恐ろしい特権

2023年6月17日
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