「パリがいかにして守られたか」パリは燃えているか REXさんの映画レビュー(感想・評価)
パリがいかにして守られたか
パリを占拠するドイツ軍と、フランス人レジスタンスとの戦いを描く。
ドイツ軍はロシアから敗戦を重ね、ヒトラーは破れかぶれにパリ爆破を命じる。
いわば敗戦処理を命じられたドイツ軍将校は、スウェーデン大使の仲介でレジスタンスとの休戦を受け入れる。
「ヒトラーは狂ってる」の言葉に、ドイツ軍人だからといって、ナチシンパとは限らないとつくづく。
「パリを爆破したところで、戦争に勝てるわけではない」と、二千年の歴史をもつ都市を破壊すべきか悩み続けるドイツ将校に同情さえ覚えた。
しかし休戦をドイツ軍叩きの好機と捉えたレジスタンスは連合軍に仲間を派遣し、パリ進軍を訴え。
しかし、一歩間違えば守りたいはずのパリを、火の海にしかねないことでもある。そこが戦争の難しさ。
オールキャストだが、パットンを演じるカーク・ダグラスが印象に残った。シャンパンでレジスタンスをもてなすところに、アメリカの余裕を演出。この時代の戦争映画は軍人が紳士的。
群像劇というスケールの大きさを感じられ、ところどころ当時の映像も交えて、見ごたえあり。
ラスト、投降したドイツ将校の部屋に、電話口から「パリは燃えているか?」の声が虚しくこだまする。
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