「幽霊」薔薇のスタビスキー jarinkochieさんの映画レビュー(感想・評価)
幽霊
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スタビスキー事件が起きた時の内閣は
左翼同盟内閣なのだが
1933年12月末にバイヨンヌ市立銀行が倒産し
スタビスキーが疑惑を招く自殺をしたあと
次の内閣も世論を落ち着かせられず
1934年2月6日の暴動で倒れ
このあと右翼政権が続く
ドレフュス事件以来
ユダヤ人問題もくすぶっていたようなのだが
ウクライナ出身のユダヤ人である彼の詐欺事件を機に
フランスは分裂状態が続く
彼の豪勢な生活ぶりと共に
亡命ロシア人(ユダヤ人)トロツキーや
ドイツからのユダヤ難民女性の人生が交錯する
美しきアルレットはシャネルのモデルで
映画ではサンローランが考えるシャネル風衣装を披露
シャネルは模造宝石のアクセサリーも流行らせたが
質屋でもあった彼はその目利きの信用を悪用して
宝石詐欺を思いついたのだろうか
ビシー政権を非難してしまうが
それに繋がってしまう地下水脈のようなものも感じられた
スタビスキーはアルレットにしがみついていたが
本当に愛していたかはわからない
劇場も所有したが詐欺師の彼は総てが演技なのだろうか
彼の人生みたいなちょっと謎めいた映画でしたが
ベルモンドには皆を引きずり込んでしまう
詐欺師の魅力のようなものを感じました
彼の共犯だった人々はその存在を記憶からも抹殺しようとする
語り部となる男爵(ボワイエ)とあの政商にもモデルはいるのかな
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