劇場公開日 1953年2月24日

「脚本にセルズニック参加で混乱か」パラダイン夫人の恋 jarinkochieさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0脚本にセルズニック参加で混乱か

2019年10月19日
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有名どころの俳優多数起用にも関わらず
魅力的な映画になっていない
主役四人のアンサンブルも良くない

ヴァリのパラダイン夫人には彫像のような硬質の美を感じるが
ラトゥール(ジュールダン)に対する愛が あまり伝わってこない
同じく、ジュールダンにも
亡き夫との三角関係も不鮮明で、私は彼と夫の関係も邪推した(脚本 × )

弁護士は難しい役で 監督はオリビエを希望していたらしいが、それがわかる
彼は 皮肉な見方も出来る英国上流階級であり、論理性/現実性を要求される職業でありながら、感情に引きずられ暴走し、失敗するのだ
ペックは人の良い アメリカ人に見える
それだと 失敗の衝撃度が小さくなってしまう

弁護士夫人のトッドは善戦しているが、あまりチャーミングに見えない
ヴァリを美しく見せる為に、手抜きされたんだろうか? (似合わない帽子をかぶされたりしてる)

この映画は 製作者セルズニックによる、ヴァリ売り込み映画でもある
が、彼女はヒッチコック映画にも ハリウッド映画にも向いていないような気がする
(セルズニックの力の衰えもあり、しばらくして撤退)

ロートン等、他の俳優達は ヒッチコックらしさが…

監督の苦戦と苦悩が見えるような映画でもある

jarinkochie