パラダイス(1982)
劇場公開日:1982年6月5日
解説
二人だけで砂漠に投げ出された若者が、生と死を乗り越えて“パラダイス”を見つけだし、めくるめくような愛の生活を過ごす姿を描く。製作は「THEエージェンシー」のロバート・ラントスとスティーブン・J・ロス、製作指揮はブルース・マレンとハワード・R・リプソン。監督は俳優として「復活の日」「F・I・S・T」などに出演したスチュアート・ギラードで彼の第一作。撮影はアダム・グリーンベルグ、音楽はポール・ホファートが各々担当。出演はフィービー・ケイツ、ウィリー・エイムス、リチャード・カーノック、ツービア・タビなど。
1982年製作/95分/カナダ
原題または英題:Paradise
配給:松竹=富士映画
劇場公開日:1982年6月5日
ストーリー
時は19世紀末、中東の町バグダッド。15歳のサラ(フィービー・ケイツ)は医師だった父が死んだため、従者ジェフリー(リチャード・カーノック)を従えて故国のイギリスへ向かった。途中、サラたちの小さなキャラバンは、アラブの族長ジャッカル(ツービア・タビ)が率いる一団に襲撃された。生き残ったのはサラとジェフリー、そして16歳のアメリカ人、デビッド(ウィリー・エイムス)の3人だけだった。一頭のはぐれたラクダを見つけ、とぼとぼと行く彼らの前に、砂漠の空間が広がっていた。やがて忽然と大きな岩山にぶつかった。そこには温水が岩間からふき出ており、サラは何の恥じらいもなく水浴びをする。数日がすぎた。ジェフリーが食糧を探しに行って、誤ってジャッカルの野営地に入ってしまった。デビッドが忍び込んだ時は、ジェフリーの死体が逆吊りにされていた。デビッドは弓矢を奪って洞穴に戻り、再び砂漠の中をあてもない旅に出た。突然、ラクダが走り出したと思うと、彼らの前にくすんだ城跡が出現。何日かぶりに見る緑が目にしみる。トカゲが、ウサギも山羊もいる。フルーツの木もたわわだ。清水が滝となって噴き出しているオアシスだ。歓声をあげて二人は水に飛び込んだ。水の洞穴を抜けると、向こうは海だった。その夜、デビッドが弓矢で取った肉を、サラはキャンプ・ファイアでむさぼり食べた。空には星、地上には静かな波の星。二人にとって正にパラダイスだった。サバイバル生活が始まった。家を作り、魚もとった。いつの間にか一頭のチンパンジーがまぎれ込み、サラは“ドック”(先生)と名づけた。数日後、デビッドは、サラのまぶしい体に目がくらみ、彼女に挑んだが、拒否されてしまった。いつもは彼の目の前で、平気で裸になって水浴びしたりするサラなのに。デビッドがサソリに刺された。サラは一晩中、介抱した。彼が意識を取り戻した時、サラは涙ぐんだ。二人ははじめてキスした。横になり、もつれあい、互いを感じあう。幼くも、情熱的なセックス。来る日も来る日も二人は愛しあった。やがてドックのもとにメスのチンパンジー“イブ”が現われ、そのイブが妊娠した頃、サラも体に変調を感じた。突然、二人を見つけたジャッカルが襲いかかって来た。だが、今や男として逞しくなったデビッドがサラを護り、ジャッカルを撃退した。パラダイスの生活も終らせなければならない。再び旅に出た二人の眼前にやがて小さな町が見えてきた。
スタッフ・キャスト
- 監督
- スチュアート・ギラード
- 製作総指揮
- ブルース・マレン
- ハワード・R・リプソン
- 製作
- ロバート・ラントス
- スティーブン・J・ロス
- 撮影
- アダム・グリーンバーグ
- 美術
- クロード・ボニエール
- 音楽
- ポール・ホファート
- 主題歌
- フィービー・ケイツ
- 編集
- ハワード・テリル
- 字幕監修
- 戸田奈津子
- クリエイテブ・コンサルタント
- ジーン・コーマン