「クロ・ヴ―ジョを飲んでみたい」バベットの晩餐会 momokichiさんの映画レビュー(感想・評価)
クロ・ヴ―ジョを飲んでみたい
・将校ローレンスにどこか惹かれながらも、厳しい戒律を守って教会の務めに精進する姉マーティーネ。
・オペラ歌手のパパンに歌の才能を認められながらも、姉とともに人々に奉仕する道を選んだ妹フィリパ。
・パリの最高級レストランの女性料理長の腕前を持ちながらも、革命のためにすべてを失い寒村のこの教会で家政婦として慎ましい食事をつくり続けるバベット。
・恋を忘れるため、軍務に励み、出世を果たすと誓い、自分を律して将軍になるも老いたローレンス。
・姉妹とともに厳しい戒律を守って生きてきた村人たち。。。
宗教や革命や土地や規範に縛られた人たち。
これらの人たちがバベットの晩餐会の前と後で、大きく何か変わったわけではない。
でも明らかに晩餐会前とは「何か」が変わっている。
それを言語化できないもどかしさ。。
と思ったら、どなたかのレビューに最高の表現が。失礼して引用させていただく。
「これまでの人生を悔いることもなく、魂の高潔を守ったまま、バベットが供する極上のフレンチに今を生きる喜びを感じ、心をほぐしていきます。」
それにしても招待客からバベットにもっと賛辞をあげてほしかった!(笑 将軍が一人絶賛していたけど厨房にいるバベットに届いてる?「シェフを呼んでくれ。」と将軍にバベットを呼びだしてほしかったよ。(笑) しかしバベット、へとへとに疲れ切ってたなあ。力出し切った感じ。今にもタバコ吸いそうな感じやった。
途中まで姉妹中心のエピソード、バベットは30分過ぎた頃にようやく登場という構成。「一体誰の映画なんだ?」と焦点のもっていきかたに戸惑ったが、観終わってみると単にバベットが主役の映画という単純なものじゃあないんだよね。姉妹やバベット、将軍、村の人たち皆なのだろう。
いいワインやシャンパンが飲みたくなる。良い食材を使った料理も。
しかし食後のコーヒーの後にさらにコニャックをのむのね。
「人生におけるこういう教訓を伝えたいのだ」というハッキリしたものは見せてこない。
ひょっとしたらそんな意図さえないのかもしれない。
ただグッとくるセリフはたくさんあった。ほとんど将軍のセリフ。
・「人生の辛い選択などに、実は意味はない」
・「我々には我々が選んだものが授けられております。しかしまたそれと同時に、我々が選ぼうとしなかったものも、我々には与えられているのです。」
・「常にあなたが心の中にいました。これからも毎日、あなたと共に生きます。それもご存じですね。」
最後のセリフなんて、キュンとくる。純愛だ。。
かっこいいぞローレンス将軍。
※「画質というか色味がお洒落」と高校生の娘が。なるほどー。
共感とコメントをありがとうございました。
仕事の本懐。私もすぐに忘れます。だからこそ、響いた言葉でしょうか(笑)。
私はバベットに思い入れてしまうのですが、レビューの中で、将軍の言葉に焦点を当てて下さり、改めてしみじみときました。ありがとうございます。
バベットへの賛辞。確かに。
ただ、料理人ではないですが、対人業務を務めている身として、千の言葉より、満ち足りた表情の方が、自分の仕事の成功を確信できます。
言葉は美辞麗句で飾ることもできますが、本当に満ち足りた表情は、優れた俳優でもない限り、現わせません。
バベットには伝わっていたのではと思います。
それに、晩餐会を興じた人々にとっては一生に一度の思い出。伝説のように、語りづくだろうと思います。出席者のほとんどは村出身なので、これからこの感動をバベットに伝える機会はあるはずだと思います。表情やバベットへの接し方でも。
ああ、私も、うずらの料理やウミガメのスープを試してみたくなりました。ちょっと怖いですが(笑)。
コメントありがとうございます。
日本人なので、いい出汁をとった映画と言いたいですが、フランス料理だからいいソースの映画でしょうか。
バベット、マネの絵に似てますよね~。
まだ現在とはかけ離れた時代、晩餐会で席を勧める様子とか、寒空寂しく馬車で帰っていく様子とか、いい気分で星空の下皆で手を繋いだりとか、小さな善意、幸せの描写にほっこりしました。
momokichi様
素敵なコメントどうもありがとうございました。
なるほど、魂の高潔✨
将軍の台詞、良いですよね。相当高い次元に到達しないと出てこない言葉だと思います。
本作を心で感じるには、自分はまだまだ未熟です😌
momokichiさま
コメントいただき、ありがとうございます
ほんとに我慢して乗り切ってよかったですね(何事も我慢って大事ですね)笑
僕もローレンス将軍のあのセリフにグッときて、不覚にも涙してしまいましたよ😊