「典型的な父親像」花嫁の父 odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
典型的な父親像
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娘を嫁に出す父親の心境を綴った結婚式までのドタバタコメディ。典型的なアメリカの中流家庭がベースだし、相思相愛、家族愛にも恵まれて、厄介と言えば披露宴の準備くらい。おそらく観客のほとんどが自身と照らしてあるあると共感するであろう平凡なストーリー。
嫁に出す父親の複雑な胸中を描いた映画では、小津安二郎監督の「晩春(1949)」が頭に浮かぶが日本人の感性としては小津作品の方が深みが勝っているでしょう。
本作の花婿は非の打ちどころがない好青年でしたが、スペンサー・トレーシーさん遺作の「招かれざる客(1967)」では花婿が黒人という社会派ドラマの趣なので同じ花嫁の父でも悩みは雲泥の差だったでしょう。本作では、まさか、そんな役回りが訪れるとは微塵も思わず、陽気に演じていて感慨深いです。
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