花嫁の父

劇場公開日:

解説

エドワード・ストリーターのベストセラー小説から「イースター・パレード」のアルバート・ハケット、フランセス・グッドリッチのコンビが脚色、「踊る海賊(1948)」のヴィンセント・ミネリが監督に当たったドメスティック・コメディで、「大草原」のパンドロ・S・バーマンが製作する1950年度作品。撮影は「南支那海」のジョン・アルトン、音楽は「アニーよ銃をとれ」のアドルフ・ドイッチェが担当する。主演は「アダム氏とマダム」のスペンサー・トレイシー、「黒騎士」のエリザベス・テイラー、「東は東」のドン・テイラー、「扉の蔭の秘密」のジョーン・ベネットで、以下、ビリー・バーク、レオ・G・キャロル、モローニ・オルセン、メルヴィル・クーパーらが助演。

1950年製作/アメリカ
原題:Father of the Bride
配給:メトロ日本支社

ストーリー

娘のケイ(エリザベス・テイラー)を新婚旅行に送り出して、弁護士のスタンリー・バンクス(スペンサー・トレイシー)は披露宴の残骸の中へがっくり身を落とした。――ケイが、バクリー・ダンスタン(ドン・テイラー)という青年と結婚したいと両親を驚かしたのは、何ヵ月前のことだったか。妻(ジョーン・ベネット)は落ち着き払っていたが、スタンリーはダンスタン家が立派な名門であり、バクリーがなかなかしっかりした青年であることを知るまでは、オチオチ眠れもしないのだった。晴れて2人の婚約がすむと、スタンリーの頭痛の種は結婚費用だった。なるべく式も内輪にすませたい彼の意志に反して、妻や娘は一生の願いとして教会で盛大な式を挙げたがった。いっそ、娘が男と駈け落ちしてくれた方が、まだ安くつくではないか。ようやく教会の式も決まり、披露宴招待の人数も折り合って、知人から続々と贈物が届くようになった頃、ケイは突然破談にしてくれと言い出した。新婚旅行の行き先について、バクリーと他愛ない喧嘩を始めたのである。所が親父が仲裁に乗り出す間もなく、若い2人はケロリと仲直りしてスタンリーに背負い投げを食わせる始末である。式の予行練習も済み、スタンリーは眠られぬ結婚式前夜を過ごした。晴れの式では、ケイは堂々たる花嫁ぶりで、逆上した親父を圧倒し去った。知人たちがただのシャンパンを飲みに集まる披露宴の混雑で、スタンリーは遂に去り行く娘に言葉をかけてやる暇さえなかった。――もの想いに沈むそのスタンリーに、その時電話がかかってきた。駅からケイが父親に送る最後の「おやすみ」であった。スタンリーは、晴れ晴れと妻を抱いて古い恋歌のレコードをかけながら踊り始めた。

全文を読む(ネタバレを含む場合あり)

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

受賞歴

詳細情報を表示

関連ニュース

関連ニュースをもっと読む

映画レビュー

3.5本人たちより親が大変な結婚

2022年7月3日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

タイトルだけ見ると、「小津監督の映画みたいな嫁に行く娘を思う父親のドラマかな…」などと思ってしまうが、小津監督のような情感たっぷり…というよりは、アメリカ映画なのでかなり現実的なエピソードも描かれる。
父親がスペンサー・トレイシー、娘がエリザベス・テイラー(若い!)、母親はジョーン・ベネット、その他大勢が出演している結婚騒動を描いたコメディタッチの映画。

この映画を観て意外だったのは、父親役のスペンサー・トレイシーがコワモテながらも喜劇も演じているあたり。

本作で描かれている結婚式・披露宴などは、結婚する二人よりも親の方が大変というのが、面白い。

父親役のスペンサー・トレイシーのセリフ「娘が結婚すると早く言われても『まだ子供みたいなのに大丈夫か?』と思ってしまうし、娘がなかなか結婚すると言わないと『結婚しなくて大丈夫か?』と思ってしまう」というのは、確かにあると思う。

なかなか楽しめる映画であった。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
たいちぃ

1.0我が家では「娘は生涯 娘のまま」は妻の台詞かも…

2022年6月21日
スマートフォンから投稿

全くの知識外の作品だったので、
本来は観ることのなかったはずだったが、
たまたま最近エリザベス・テーラー主演の
数作品を観ていて、
その彼女の出演を知って
NHKの放映を機に初鑑賞。

しかし、私的には残念な鑑賞だった。
エリザベス・テーラーは美しさの頂点の頃の
作品なのだろうが、
この時の実年齢の18歳には見えないのは
彼女にハツラツさの欠けているのか、
美し過ぎて親近感が湧かないのか、
ヘップバーンやグレース・ケリーとは
異なる印象を受ける。
いずれにしてもなにせ主役はお父さん。
娘役が彼女である必要性や存在感を
強く感じさせられることはなかった。

さて、この作品、コメディとはいえ、
自宅での婚約披露宴や披露宴の準備、
教会でのリハーサル、
そして自宅での披露宴、
その全てのシーンにおいて
トラブルや混乱が大袈裟に
しかも延々と演じられ、
下手な舞台劇を観ているようで
興醒めしてしまった。

折角の名優スペンサー・トレーシーが
演じているにもかかわらず、
「老人と海」では原作を超える彼の演技を
引き出せずにいたように、
この作品でもヴィンセント・ミネリ監督の
ミュージカル演出志向を持ち込んだ結果、
そのデフォルメ感に埋没して、
彼を生かし切れていなかったように思える。
ついつい「招かれざる客」での
スタンリー・クレーマー監督の演出で
見事な演技をみせたスペンサー・トレーシー
と比べてしまう。

結婚式のシーンでの
娘がバージンロードを戻る際に
父親と目線を合わせるシーンでは
流石に涙腺が緩んだが、
ラストシーンでの父親の台詞、
「息子は嫁をもらうまで、
でも娘は生涯 娘のまま」
は、義母と妻、妻と娘の親友同士のような
特別な関係を見ていると、
女の親子同士は正にこの台詞通りに
実践されていると感じる中、
自分と娘の関係になると、
「娘は生涯 娘のまま」となってくれるかが
途端に自信がなくなり、
緩んだ涙腺も閉じてしまった。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
KENZO一級建築士事務所

5.0時代を超えて

2022年6月17日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

父(スペンサー・トレイシー)は娘(エリザベス・テイラー)の結婚については、ほぼなし崩し的に進められてしまう。
母(ジョーン・ベネット)は式次第が関心事らしい。
いつの時代も同じだが、今は両親が揃っている方が珍しいかも。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
いやよセブン

2.0典型的な父親像

2022年6月17日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 1件)
odeonza
関連DVD・ブルーレイ情報をもっと見る