「いったい何があったのか、と思ったら」花嫁の父 猿田猿太郎さんの映画レビュー(感想・評価)
いったい何があったのか、と思ったら
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映画オープニング早々、荒れ果てたパーティ会場の後、乱れた服装でうなだれる父親。そして語り始める物語。いったい何事だったのかと、思うようなオープニングですが――そう、娘の結婚式があったのです。そりゃあ大変に決まっている。
話の内容はごく普通。大変な事故や事件があるはずも無い。精々、あったとすれば未だ新婚ですら無い婚約者通しの軽い喧嘩。すぐ仲直り。あとは結婚準備と結婚式本番のすったもんだ。ごく普通の乱痴気騒ぎ。特別なことは何も無い。当時の、アメリカの風情という違いはあるのだろうけど。
立派なお屋敷に住んでお手伝いさんまでもいる上流階級。だからこそ大変なのか、いったい何に振り回されているのかと、父親らしく振る舞えるはずも無く、嵐のように駆け抜けていった新婚夫婦。後に残された使い古しの父親がぽつり。はい、お疲れ様。
ホラー表現にも似たシーンがあるのには驚いた。自分の時だけ吹き出すコーラって良く出来てるなあ。そんな、ほのかなコメディのある映画だけど、本当にごく普通の、単なる結婚式までのすったもんだ。それでもまあ、最後には恋女房と懐かしいレコードをかけてダンスを踊るなど、麗しいエンディング、素晴らしい人生ではありませんか。お疲れ様でした。これからも、お達者で。
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