バッファロー'66のレビュー・感想・評価
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1999年公開時鑑賞
今から考えると異様なほどに盛り上がり、あっさり収束していった当時のギャロ祭。アレは何だったのかな。
ダメ男のどうしようもなくカッコ悪い道中のはずなのに、チープな静止画像風なカットですら、なぜかスタイリッシュに見えたもの。
この頃のリッチのちょっと油断した感じ好き。
【両親へのコンプレックスバリバリ男に寄り添う、行きずりの心優しき女。独特のビジュアルやスロー描写など、他に類を見ないエキセントリックな作風が印象的な作品。】
ー 5年ぶりに他人の罪を自らのギャンブルの負けにより被ったビリー(ヴィンセント・ギャロ)
刑務所を出て故郷・バッファローへ帰ろうとするビリーは、自分よりも、アメフトのバッファロー・ビルズを愛する両親に嫁を連れて帰ると嘘をついてしまう。
後に引けなくなったビリーは、ダンススクールでレッスン中だった少女・レイラ(クリスティーナ・リッチ)を拉致。
両親の前で妻のふりをするよう彼女を脅迫するが…。
◆感想
・何となく、ジム・ジャームッシュ監督の諸作品を思わせる、作品である。
・刑務所から出て来て、矢鱈とトイレを探してウロウロと歩き回るシーンが可笑しい。
- 今作では、彼は頻繁にトイレを探す・・。-
・レイラを強引に妻にするシーンなども、その後のレイラが健気に、良き奥さんを演じたり・・。
・思い出の、ボーリング場のシーンや、元カノとデニーズで鉢合わせするシーンなども何だかオカシイ。
・幼きビリーを描いたシーンのフェイドイン、フェイドアウトも独特である。
・自分が勝手に、スーパーボールの決勝でフィールドゴールを外したスコットを恨んで(彼は、バッファロー・ビルズの勝利に、勝手に1万$賭けて負けた故に、刑務所に入った・・)恨みを晴らしに行くシーン。
デブデブに太った、スコットの姿。
そして、スローモーションのシーンが描かれるが・・。
<ヴィンセント・ギャロが監督、脚本、音楽、主演の4役をこなし話題となった作品。独特のビジュアルやスロー描写など、他に類を見ないエキセントリックな作風が印象的な、癖になりそうな独特な世界観を持ったオフ・ビートな作品である。>
20年ぶりぐらいに久々観たけど
終盤の入るあのBGMとか懐かしかった
当時の感動よりそこまでこなかったのは懐古と期待値上がり過ぎてた、あと
おっさんなって俺汚れたなぁってのと感性が鈍り衰えたからだと思う
クリスティーナリッチは当時見たときよりめっちゃ惹きつけられてかわいく見えた
それは色んな女見てこういう女性と出会える事の貴重性に気付いたからもあるし
もっと心裸にして全部見せとくべきだったなって
でも改めて当時の自分センス良かったなと思う
当時美容師やっててカノジョとも一緒に観てたけどカップルで観るのが良いと思う
相手の反応で相性解る
お洒落好きとかそういう仕事してる人には解るセンスの映画だと思う
響かない人には一生響かないだろうけど
自分は若い頃にこういう映画みといてよかった
カップルが出会う不思議
深夜のゲームセンターや、カラオケ店の駐車場や、駅前の薄暗がり、
なんでこの二人、付き合っているんだろうと思っちゃうカップル。
眠いだろうに、疲れているだろうに、彼らは帰りたくないのだろうか、帰る家もないのだろうか、いつまでも二人は一緒にいる。
ジミーとレイラは、お互いにどこが良くて番(つがい)になったのだろう。それはよくわからないけれど、二人とも実家よりも親よりも大切なものを見つけていく様子が、とてもナイーブで・・
ハンサムで素敵だと言われて、ジミーがレイラのためにデニーズのドアを開けてやるんだなぁ。
そしてあのベッドシーンは、ちょっと類を見ないほどの名シーン。
監督は画家でもあるらしい。
安モーテルの、あまり清潔とも思われないベッドを、監督ビンセント・ギャロはキャンバスに見立てて、寂しい二人の心象風景をみごとに絵に描いている。
アメフトのスコットを死に至らしめて母親に振り向いてもらいたかったジミー。
でも徒手空拳をやめて世界が変わっていく。
家出少女と、アダルトチルドレンの寂しいチンピラの恋なんだけど、男女が出会うって、こんなに素敵に世界を一変させるものなんだな。
レイラの応援のおかげ。
お芝居であっても、こんなにも肯定的な言葉って人を嬉しくさせる。
若者の、青春の疼きの映像化。
ロングランもうなづける。
今尚愛おしい作品
当時ミニシアターブームに颯爽と現れたような印象、クイントのオープニング作品ではないでしょうか?
そして何とも懐かしい20年ぶりのリバイバルです。
全体的にというか全てギャロの趣味全開、やりたいように撮った清々しい作品です。
まるで彼そのまま、少し線の細いクライムロードムービー。
でもこれがかなり良い。
台詞回しにカメラワーク、ファッションに楽曲など、センスに溢れているんです。
デザインやアート系の学生にはかなりきたでしょう。
正直どったこと無いストーリーラインですが、ギャロとクリスティーナ・リッチのやりとり、その空気だけで成り立っているようなんです。
そして楽曲。トレーラー等でイエスの「サンライズ」のイメージがやたら刷り込まれているのですが、何と言ってもこの作品は「ムーンチャイルド」でしょう。
突如踊りだすクリスティーナ・リッチとその映像に、正に目を奪われるよう。
そのくらいクリムゾンの楽曲にマッチしていました。
それはもうオフィシャルのMVのように。
今こうして観ていても色褪せぬ、二人の空気は凄いものです。
あと個人的な思い出ですが、当時この作品観て「あ、やっぱ免許はマニュアルじゃなきゃダメだわ」と思ったのをよく覚えてますw
もう「エッセンシャル」以来でしょうか?久しぶりにギャロの新作観たくなりました。
今尚愛おしい作品です。
レイラへの理不尽な命令をなぜか耳が喜んで聴き取ってる
開始5分トイレを探し続ける。
開始10分で主人公がクズ全開。
そのあとずっとクズなんだけど、クズ加減がいきすぎてて楽しくなってくる。
やー、いい映画やった。
ビリーのセリフひとつひとつの語感とテンポが面白い。
レイラへの理不尽な命令をなぜか耳が喜んで聴き取ってる。こういうとき英語わかってよかったと思う。
4人で食事してるときとベッドに二人で寝てるときのカメラワークがめっちゃ好きやった。
終盤にかかるYESのカッコよさに震える!
こんなヘヴィなベース鳴ってたんだ?!
再考
初回の時に観たはずなのだが、内容を思い出せないので、再度観ました(勝手にジム・ジャームシュの映画と思っていた)。
ストーリーはストックホルム症候群の一貫だと思うのだが、女優さんのぽっちゃり感が良い。そして主人公のイっちゃっている感、赤いブーツ。これだけで大満足。
BD買います。
最低な男の最高な恋愛映画!
若手タレントを売るためだけのクソみたいな恋愛映画を観るくらいなら、コレを観た方が絶対に良い。
キスもセックスもバイオレンスもエロもグロも無いけど、愛だけがある。
主人公を筆頭にヤバいやつしか出てこないのに、愛だけがある。
20年前も今も、色褪せない作品。
狂気は狂気を呼ぶのか
たまたま時間があったので、なんの予備知識もなく観たのだが、観て良かった。何がどうして面白いのかさっぱり分からないが面白かった。何ならしまいにはニヤニヤクスクスしながら観ていた。
至極真っ当なアメリカの田舎町を舞台とした物語だが、登場人物が全員頭がおかしい。理解しがたい行動原理で、互いになんの共感もないままやたらとあちこちに行っては奇行を繰り返す、主人公とヒロイン。単に巻き込まれただけだったはずの彼女は、やがて誰もが予想だにしなかった言動で観客を唖然とさせる。
特にコメディでもないし、割とひりつくような展開が続く中、頭のおかしい連中の行動が予期せぬ可笑しさを生むような、そんな作品。
ラスト10分をリピートしたくなる
ポスターがかっこ良くて印象に残っていた映画。回想シーンで別スクリーンが出てくる演出に、すげー!と思うが、あれっ!こんなにつまらなかったっけ?と思いながら物語が進行。ところが、ところが。エンディングに向かう最後の10分は必見。何度もリピートしてしまった。あのサウンドに、スロー描写。ヴィンセントギャロの才能が爆発している。
真っ赤っかな靴の男
20年前程に観て、ヴンセント “御洒落ぇ” ギャロの魅力とスタイリッシュで且つほろっと切ない内容が好印象だったと記憶している。
本作品が映画館で再上映されるって事で
映画館鑑賞推奨委員会会長のアタクシとしてはどうしても観に行きたくなったのである。
で、観てみたらえらいモンで
全 く 覚 え て へ ん っ っ !!
(゜ロ゜ノ」ノ!!!!
だども、是がほんまに堪らんかったっっ!!
20年前のアタクシに感謝っっ!!涙 (?)
いゃぁ~せやけど、
酒にもクスリにも溺れずともここ迄ヘタクソな主人公ビリーにぐっと惹き付けられるってのはレイラ曰く
「世界一優しい人」
やからなんゃろなぁ~☆彡
映画人生に深く深く刻みました
映画凍結期に公開された作品なので今回が初見。
観始めてすぐに心がざわついた。
これは自分にとって大切な作品になると。
ドキドキしながら観た。
壊れてしまって社会に適合しない主人公のビリー(ヴィンセント・ギャロ)と彼に拉致された少女レイラ(クリスティーナ・リッチ)の道行。
二人はビリーの故郷・バッファローに向かった。ビリーの両親も壊れていた。家族として歪だった。
ビリーを優しく受け止めたレイラ。彼女は天使だった。夢に見ることはあっても現実には決して存在することのない天使だった。
キング・クリムゾンの『ムーンチャイルド』に合わせてタップを踏むレイラ。あまりにも美しいシーンだ。そこに映画の神様が舞い降りた。
ギャロはプログレが好きなんだろうなぁ。クライマックスはイエスの『燃える朝やけ』に乗っかってスロー&ストップモーションのバイオレンス。これも快感。
ビリーはセイラとともに生き直そうと。
ほんとクソみたいに都合のいいヤツ。
自分のように最低なヤツ。
これは壊れた人間がすがりつきたくなるような作品。
宝物になった。
好きだなぁー、好きですぅーこの作品
おもしろすぎました!!そして、なんと愛おしく可愛い作品なんでしょう。
映画館で鑑賞できる機会を作ってくれたシネクイントさんに感謝です。
厨二男子?いや、愛を知らない(多分)チェリーボーイの物語。よかったなぁ。
あぁ、20年前の作品なのかぁ。。。リアルタイムで観るべきだったなぁ。
お話の始まりからは想像もできない展開とラスト。素晴らしいエンタメ作品ともいえますし、
斬新なカット割り、飽きさせないカットの連続で会話劇が別の何かに見えちゃう演出もなかなかです。テーブル囲んでのシーンは素晴らしい、秀逸です。感心しちゃいます。
ストーリー、演出の一部ではありますが、ちょっとした笑いも散りばめられていて良いのです。
トイレ探しとか親父のスケベ心を感じさせるところとか・・細かいところが「イイ」のです。
ビリー(主人公)の人物像の作り込みが非常にしっかりしているんですよね。家庭環境などの背景含めて。それらがあるからこのシンプルなストーリーで描かれるさまざまなエピソードが、時に可笑しく、時に哀しく、切なく伝わってくるのです。
ビリーへの気持ちが最初とラストで変わっている自分に驚きました。心揺さぶられたなぁ。
「本気のしるし(劇場版)」でも揺さぶられたけど、本作でもまた・・・願っちゃったもんな!自分が思うラストを。なんだかね、クリスティナ・リッチ演じるレイラの気持ちがわかっちゃう自分もいて・・・。
もーーー!やられたー!って感じです。
クリスティナ・リッチ良いですなぁ〜。
凍てついた心は帰るべき場所の窓の光が溶かしてくれる。
良いお話でした!いつかまた観たくなる作品です。
あと、キング・クリムゾンとイエスの曲がかかるとは!なんと効果的!選曲も見事。
僕は♪Moon Child♪のシーンが大好きです。
傑作です!
【溶ける】
バッファロー・ビルズのスーパーボウルでの一点差負けは、あまりにも有名で、伝説だ。
今年は、タンパベイ・バッカニアーズが、QBトム・ブレイディが移籍して来てすぐ、近年で最強と言われたグリーンベイ・パッカーズを接戦の末に破り、スーパーボウルでは、カンザスシティ・チーフスを難なく下した。
これは、バッファローと対極的な意味で伝説になるに違いない。
この「バッファロー’66」は、ビリーと、レイラと、ビリーの両親の食卓の場面の定点カメラを使った撮影など、小津安二郎的と言われたり、全体的に暗い色調の画面にビリーの赤いレザーブーツが妙に目立つような不思議な色彩感覚が印象的だったり、それは、すごく分かる。
でも、僕は、なんか初恋の相手と童貞を失くす時の、朝会った親の話は耳に入ってこないとか、誰かに話したいとか、落ち着きのない、そわそわした感じから、裸で抱き合ってゾクっとして、そして、…、溶け合うような感覚を覚える作品だと思っている。
僕は、初恋の人が相手ではなかったけれども、童貞を失くした相手はヴァージンだった。
そんなことも、そう感じた理由かもしれない。
こんなことを思うのは僕だけだと思うが、とにかく、この作品が大好きだ。
カルト的とか違うと思うのさ。
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