「映画人生に深く深く刻みました」バッファロー'66 エロくそチキンさんの映画レビュー(感想・評価)
映画人生に深く深く刻みました
映画凍結期に公開された作品なので今回が初見。
観始めてすぐに心がざわついた。
これは自分にとって大切な作品になると。
ドキドキしながら観た。
壊れてしまって社会に適合しない主人公のビリー(ヴィンセント・ギャロ)と彼に拉致された少女レイラ(クリスティーナ・リッチ)の道行。
二人はビリーの故郷・バッファローに向かった。ビリーの両親も壊れていた。家族として歪だった。
ビリーを優しく受け止めたレイラ。彼女は天使だった。夢に見ることはあっても現実には決して存在することのない天使だった。
キング・クリムゾンの『ムーンチャイルド』に合わせてタップを踏むレイラ。あまりにも美しいシーンだ。そこに映画の神様が舞い降りた。
ギャロはプログレが好きなんだろうなぁ。クライマックスはイエスの『燃える朝やけ』に乗っかってスロー&ストップモーションのバイオレンス。これも快感。
ビリーはセイラとともに生き直そうと。
ほんとクソみたいに都合のいいヤツ。
自分のように最低なヤツ。
これは壊れた人間がすがりつきたくなるような作品。
宝物になった。
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