「いやしのレイラ」バッファロー'66 カールⅢ世さんの映画レビュー(感想・評価)
いやしのレイラ
ニューヨーク州バッファローの壊れた家庭で育ったビリー(ガロ)。
すぐに激昂する癇癪持ちの親父。ビリーが子供のころ可愛がっていた子犬をうるさいとひねり殺してしまう回想シーン。
病的なほどにアメフトチームに入れ込み過ぎの母親。ご贔屓のチームが最後に優勝した66年はビリーを産んだ年で、そのため優勝を決めた試合を見ることができなかったと今でもいうほど。それも冗談ではない。マジだ。チョコレート(カカオ)アレルギーのビリーにチョコレートドーナッツをすすめる母親。回想シーンは漫画の吹き出しのように四角の画面から始まるのでわかり易い。
そんな家に育ったビリーは嘘をつかなきゃやってられない人間になってしまったのかな。可哀想!と思いはじめたということはわたしも立派なストックホルムシンドロームですね。
母親の影響か一発逆転を賭けて、バッファロー・ヒルズに実際は持ってない一万ドルを賭けてしまう大馬鹿野郎。ノミ屋の元締めの怒りを買う。その代償は真犯人として名乗り出て、刑務所に収監されている元締の仲間の刑を肩代わりすることだった。
5年の刑期を終えて刑務所を出るビリー。バス停🚏でオシッコ!となる。刑務所に戻って、トイレを借りようと門番を呼ぶが「一度出たものは入れない。もうすぐバスが来るぞ」と門前払い。延々、オシッコを我慢するロードムービー。オシッコなのか💩なのかわからなかったもので、ヒヤヒヤしました。駅のトイレは清掃中で閉鎖、お店では断られ、忍び込んだビルで用を足すかと思いきやトイレにいた男にキレまくり。家の両親に公衆電話から電話しようとしたところを通りかかったダンス練習中のレイラに小銭を出させて、親に嘘ばっかり話す。オヨヨ。さらにレイラを拉致して、レイラのトヨタセリカXXGTで自宅に向かう途中でやっと、立ち小便。少し落ち着いて、レイラに詫びて謝る。政府の仕事で長いこと留守にしていたけど、フィアンセ連れて凱旋する演技をして取り繕ってくれと。名前もレイラはダメだ。ウェンディ・バルサムだと押しつける。
見栄からにせよ、親孝行息子を演じたくなったのは、あんな家でも親子は親子だからかな。かわいいじゃないですか。拉致されたレイラはブロンドヘアで色白の爆乳娘。両親も喜ぶ。おまけに妊娠していると、ダメ押し。
CIAにお勤めのすごく優しくてハンサムなビリーに首ったけのフィアンセを演じ切って、家をあとにする二人。
それから、ボーリング🎳場に行ったり、ファミレスに行ったり、モーテルに泊まったり。ボーリング場でのレイラのタップダンスシーンもありました。
ビリーが刑務所に入ることになったのは八百長(フィールドキックをわざと失敗して、ジャイアンツに一点差で負けた)選手のせいだと思い込むようになり、復讐を計画するその選手スコットはストリップ劇場を経営していることを突き止めて、心配するレイラを残して、深夜にひとりで行くのだが・・・・
クライマックス直前で、おーっと、横の奥の席のカップルの男が途中退場。
スコットのストリップ劇場の場面がきれいに終わってから戻ってきた。
馬鹿だなぁ! オシッコなんかビリーみたいに我慢しなよ!と思った私。
スコットが太った田中哲司に見えてしまったw
優しいレイラの過去には何があったのかな。それとも、何もないからアホなビリーを赦せるようになって行ったのかなぁ?
音楽もよかった。
昭和な映画を令和に見て、レイラに癒されました。