「意外と名作!」二十日鼠と人間(1992) kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)
意外と名作!
小柄で頭のいいジョージ(シニーズ)と怪力で知恵おくれのレニー(マルコヴィッチ)。レニーは欲しいものには何でも手を触れる癖があり、以前いたところも、赤いドレスの女に触れたばかりに町を追われるハメになったのだ。二人には自分たちの牧場を持つという夢があった。
牧場主の息子カーリー(ケイシー・シーマツコ)は元ボクサーで従業員をこき使いイジメばかり。その上、色気たっぷりの女房に首ったけなのに、いつも浮気してないかと探し回ってる。「あいつはいつかお前を殴る」というジョージの予想通りにレニーに八つ当たり。思わず「やれ!」と叫んだジョージのおかげでカーリーの拳を使い物にならないほどつぶしてしまう・・・
機械にはさまれたということで事件は片付いたが、カーリーの妻(シェリリン・フェン)がレニーに近づく。夫以外の人間と話すことができない寂しさを紛らわすためだった。「柔らかいものに触りたい」癖があると言ったレニーに対し、妻が「髪の毛を触ってみて」と近づき、思いあまって殺してしまう・・・シェリリン・フェンといえばTV版『ツイン・ピークス』のオードリー役が印象的。左側の目尻のほくろが魅惑的・・・レニーもまいってしまったのだろう・・・
同じ宿舎の爺さんが自分の飼っていた老犬を殺してしまうことに同意し、仲間が銃で殺してしまう。「どうせ殺すのなら、自分の手で殺すべきだった」と悔やむことが最後にきて伏線になっていたと気づく。ジョージの複雑な思いも死体を発見したときに決意したのだろう。一発の銃声がここまで悲しくさせるなんて・・・シニーズもマルコヴィッチも人間の心を持っていただけにグサリときてしまう。
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