裸の拍車のレビュー・感想・評価
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「なんじゃこりゃあ~~っ!?」まるで、「太陽にほえろ!」の松田優作の最期の気持ちが体感できるような怪作なのでした。
いやあ~っ、酷かったです。
何が酷かったって、まずは、主人公ジェームズ・ステュアート演じるダメ男っぷりが・・・
この賞金稼ぎのお兄さん、散々仲間内や捉えた悪役にいいように騙され、出し抜かれるんすよ。一度は、関係のないインディアンとの抗争に無理やり巻き込まれ、はたまた、馬から悪役に崖下に蹴落とされ、はては悪役の仕掛けた美人局にもまんまとはまり、仲間の命まで危険にさらす・・・そんなんで生き馬の目を抜くような無法地帯をくぐり抜けられる訳ないやん!!
これら一連のエピソードが、最後、ああ、そう言えば主人公だけ誰も人殺してへんなあ、だから幸せになる権利あるよなあ的エンディングの伏線になっているとしても、そのご都合主義的な展開には思わず言葉を失ったわっ!!
こんなんでは流石に松田優作の、最期の言葉も引用したくなりますわ・・・
このタイトル
賞金首のベンを追うハワードは、砂金取りのジェシーと元騎兵隊のロイの協力でベンを捕える。ベンと同行していたリナも連れて、町まで護送しようとする三人だったが。
いくつか出来事はあるものの、あまり印象に残らない感じ。拍車を投げつけるシーンがあるけど、それだけでこのタイトルなのか。
ロマンチックな結末
ジェームズスチュアート扮する賞金稼ぎのハワードケンプは保安官殺しのベンバンダーグロードを追っていた。
賞金首が仕掛けた仲間割れを起こさせる作戦が果たして上手くいくのか。なかなかロマンチックな結末だったね。
飛び道具とは卑怯なり?!
護送中の賞金首(懸賞金を掛けられた指名手配犯)を巡る人間模様を描いた古典的西部劇映画。
洞窟の場面を除き、ほぼオールロケの映像は美しいし、A・マン監督も主演のJ・スチュワートも好きだが、脚本は雑でご都合主義的な結末も高くは評価出来ない。落石の演出は迫力あるものの、スタントの演技が甘い。
ただ、犯人と護送側の駆け引きは『決断の3時10分』(1957)みたいだし、アクションシーンも多いので、シナリオを丁寧に仕立て直してリメイクすれば却って面白い映画になるかも。
ブラックフィート族が単なる野蛮人としてでなく襲ってくる理由が語られたり、やむを得ない戦闘の末、全滅した彼らをスチュワート(ケンプ)が哀しげに見つめるなど、当時としては珍しく先住民を同情的に扱っているのはマン監督自身がマイノリティのユダヤ系だから。
オープニング・クレジットにキャストの表記がないと思ったら、スチュワート以外の出演者は先住民役を除けば『サイコ』(1960)のJ・リー(リナ)、ともに『特攻大作戦』(1967)のR・ライアン(ベン)とR・ミーカー(ロイ)、M・ミッチェル(ジェシー)の4人だけ。
ミッチェルは本作の前年、名作ミュージカル『雨に唄えば』に映画会社の社長役で出演。全然気がつかなかった…。
本作出演後、50歳で同年に他界。
NHK-BSにて初観賞。
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