パーフェクト ワールドのレビュー・感想・評価
全51件中、41~51件目を表示
完璧な世界
邦題がそのままでよかった。って観終わった後に思う。
これはただの誘拐事件の物語ではない。もはやそっちはメインではない。誘拐犯のブッチはいい奴ではないが、悪い奴でもない。彼は小さい頃から独りで過ごしてきた。家族からの愛を十分にもらってなかったのだ。彼の父親こそが悪い奴である。そんな中である時ブッチは脱獄してフィリップを誘拐する。彼も家族の中では独りぼっちである。ブッチほどひどいものではないが。それを会った瞬間ブッチは悟ったのではないだろうか。そして誘拐して車で逃走する。最初はフィリップはブッチのことを恐れていた。けれども次第に彼からたくさんのことを学び、今までに見れなかった世界を見ることになる。そこからブッチとフィリップの絆が深まる。
ブッチは父からもらったポストカードを気に入っている。それにはアラスカの写真があり、そのポストカードの上の父のことは好きなのだ。だからアラスカに行けば完璧な世界が待っていると信じている。そのアラスカまでの道の途中、2つの家族に出会う。最初の家族は楽しく遊んでいた。家族の愛が見えたのだ。あとの家族もいい父親だと思った。しかし、両方の家族も完璧ではない。子供に暴力を振るう両親だったのだ。ブッチはどんな形の愛も求めている。家族の愛が見えたと思ったら、理想を裏切られていた。しかし、唯一裏切らないのはフィリップである。ブッチは最終的にはアラスカに行けなくても、彼にはフィリップがいた。フィリップにもブッチがいた。それこそ完璧な世界ではないのか。
警察やFBIがブッチを捕まえようと苦労する中で、彼らはA perfect worldのことを話す。でもそんなものこの世界には存在しないのだ。でも信じているものはたくさんいる。その人たちにとっての完璧な世界はいつかは見つかるかもしれない。
かなり考えさせられる映画。
タイトルの皮肉が面白い
脱獄犯と人質の少年の心の交流と、それを追いかける警官の苦悩の話。
いや泣きましたわ。
少年役の子の演技がピュアすぎて、観入ってしまった。
脱獄犯と人質って関係なのに、本当の親子のようになっていく様はかなりほっこり。
しかも脱獄犯がいい人なんですね〜
そして60年代のレトロな車でアメリカの広大な土地をドライブ、ロードムービーみたいなとこもあったり…笑
それだけにラストがショック!!!!
そうなると思ってたけど!!
分かってるからこそのツラさ!!!
そこに警官の苦悩も入ってきて、観た後はかなり考えさせられる。
作中で、ある警官がタイトルでもある「完璧な世界」って言葉を口にします。
この作品を観た後は、完璧な世界なんて無い!って思います。
そうゆう皮肉じみた意味も込めてこのタイトルにしたのかな。
とにかくクリントイーストウッドは考えさせられる作品が多い!
本当にいい監督です。
孤独な男と孤独な少年
イーストウッド監督の映画には、いつも考えさせられます。
脱獄囚(ケヴィン・コスナー)が少年(T・J・ローサー)を人質に逃げる中で、2人の友情が深まっていく物語です。本作の魅力は、2人とも孤独な人生を歩んでいたということ。コスナーは本当に優しい心の持ち主でした。特に子どもに暴力を振るう者には厳しく、その光景を見ると居ても立ってもいられなくなってしまうほど。そんな男が孤独な少年と一緒にいたら、そりゃあ助けてやりたいと思うはずです。
しかし、彼には追手(イーストウッド演じる署長一味)から逃れる必要があるのです。そして彼らが初めて対面した時、この作品の真意を知ることになります。
果たして私たちが善だと思っているもの、悪だと思っているものは正しいのだろうか?様々な感情が交差するヒューマン・ドラマです。
菓子か悪戯か
胸が苦しい。
懐かしさとほのぼの
切なくもさわやかな余韻
公開はもうどのくらい前になるのでしょうか
学生のころ友達に進められて初めて観てからというもの
何度となく繰り返し観てきた大好きな作品です。
ひょんなことから始まった
人並みはずれたIQを持つ逃亡者ブッチと
宗教上の戒律にがんじがらめの少年フィリップの二人旅。
60年代の古き良きアメリカの時代背景に映えるクラシックカーが
乾いた大地をひたすら走り続けます。
会話の中で徐々に明かになっていく2人の育ってきた環境から
抑圧された少年を幼い頃の自分の姿と重ね合わせるブッチ。
旅の中で少年の希望を一つ一つ叶えていきます。
叶わなかった自分の夢を一つ一つやり直すかのように…。
逃亡者を描くロードムービーでありながらも
旅の途中でめぐり合う人々とのエピソードには
こどもが関わることで微笑ましい空気が流れます。
そこにスパイスを聞かせるのが追跡者となる2人。
ブッチとは古くから因縁のある保安官と、いわゆる出来る女。
立場は違えど、それぞれに心に孤独を抱えるはぐれ者たち。
お互いを認め合うそれぞれの間にもまたある種の絆があります。
長い旅路を進むうちに迎えるターニングポイント。
観る者の思いとは裏腹に急展開していく後半~ラストにかけて
目には熱いものがこみ上げてくるはずです。
違うんだよ…。ああ…。
公開当時の若さゆえの思い入れの深さなのかもしれませんが
いつまでも変わらずお気に入りマイベストの上位作品。
もちろんDVDもお買い上げ済みです(笑)
まだ観てない方。ぜひ観てみてください。
※他サイトより転載(投稿日:2008/11/18)
全51件中、41~51件目を表示