「実は良い映画だと思う一本」パーフェクト ワールド 杉本穂高さんの映画レビュー(感想・評価)
実は良い映画だと思う一本
本作、当時は人気絶頂のケビン・コスナーがいきなり汚れ役に挑んだことで似合わないみたいな批判を浴びていたらしい。でも自分は結構好きだった。『ボディーガード』以前のストレートなヒーローのイメージから遠い役柄だったせいだけど、中学生の時に初めて見て感動して以来、お気に入りの映画だ。というか、中学校ではこの映画はすごく人気があった。
今、改めて見てもそんなに失敗作とは思えない。ケビン・コスナーの犯罪者役は哀愁を帯びていていいし、イーストウッドの演出も抑制を利かせていて、丹念に役者のいいところを見せてくれる。
誘拐した少年との疑似親子関係は泣かせる。宗教的理由でハロウィンに参加できない男の子が初めて犯罪者というはみ出し者と一緒になることで家族から解放されて自由になるが、運命はそのような関係を許さず悲劇の最後を迎えていく。ジャック・N・グリーンの撮影もきれいだし、普通にすごくいい映画だと思うので、何かのきっかけで再評価されないだろうか。
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