「ドン・ファンの妄想」バーバレラ odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
ドン・ファンの妄想
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ジェーン・フォンダの波乱の人生など野暮な事前知識、先入観を持たずに只管彼女の美ボディと稀代のドン・ファン、ロジェ・バディム監督のエロティックないたずらを楽しむコメディでしょう。
ややもすれば低俗だったり退廃に流れる類のジャンルですが妄想の遊び場として宇宙を設定、不可思議に便乗して既成概念をくすぐりまくります。
感心するのは暴力性やグロティスクな描写を徹底して排除、敵軍の戦闘兵も中身は空洞、血も出ません。天使に抱かれての空中戦など前代未聞でしょう。無邪気な子供や人形、かわいい小鳥たちを使って脅すのは怖さもほどほど、同種のサスペンスものへの皮肉でしょうか。また監督は紳士の妄想、下心の扱いに長けていて、ベートベンを持ち出してSMもどきで遊ぶなど自ら楽しんで作っているような余裕、どうしゃっちょこ立ちしても他の監督には彼女は撮れないだろうという自信には引き気味ながらも納得です。
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