ハート・オブ・ダークネス コッポラの黙示録のレビュー・感想・評価
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【”闇の奥”狂気の大傑作『地獄の黙示録』が狂気漂う撮影現場から生み出された事が良く分かる、フランシス・F・コッポラ監督の妻エレノア・コッポラが撮影した貴重なるドキュメンタリー作品。】
ー 今作は、フランシス・F・コッポラ監督の妻エレノア・コッポラ(後に、映画監督ともなる)が撮影した長時間に及ぶメイキングフィルムやプライベートな録音テープを中心に、主演のマーティン・シーン、ロバート・デュバル、デニス・ホッパーらスタッフ・キャストのインタビューを交え、狂気漂う壮絶な撮影の裏側に迫ったドキュメンタリー映画である。ー
◆感想
・『地獄の黙示録』は大好きな映画であるが、このドキュメンタリー映画を観ると狂気漂う制作現場から生み出された事が良く分かる。
撮影地となったフィリピンを襲う台風や、これは知らなかったが主役が当初は、ハーベイ・カイテルだった事。
そして、膨れ上がる製作費、伸びる撮影期間。
フランシス・F・コッポラ監督の漏らした言葉。”2千万ドルの失敗作だ。自殺したいよ。”
正に、混迷の撮影現場である。
・マリファナ、LSD、スピードを吸って、気分を尖らせ撮影に臨む数名の俳優。
そして、心臓発作で死にかけた、マーティン・シーン・・。
進まない脚本。三週間しか撮影現場にいない、台本を覚えて来ない太ったマーロン・ブランド。
それを、全て受け入れてフランシス・F・コッポラ監督は、狂気の大傑作『地獄の黙示録』を大幅に遅れながらも作り上げたのである。
<一番驚くのは、そんな混乱する撮影現場で、カメラを密かに回していたフランシス・F・コッポラ監督の妻エレノア・コッポラの冷静に撮影現場、夫の姿を見ていた言葉である。
命を懸けて映画製作をするというのは、こういう事なのだろうか・・。凄いモノである。>
コッポラを労おう
ハーヴェイ・カイテルが降板した内幕があまり描かれていなが余程の事があったのであろう周囲の怒りが何となく伝わって来る、色々な災難が起こる中でコッポラを最も悩ませたのはマーロン・ブランドの支離滅裂で多種多様な我が儘か、オマケにデニス・ホッパーに対しては呆れ返っている態度のコッポラに笑えてしまう。
献身的にコッポラに尽くす態度が印象的な妻でもあるエレノア・コッポラが頼れる存在感で娘のソフィア含めた子供まで現場に連れていたのも驚きで、家族の強い絆を垣間見る一家総動員で『地獄の黙示録』を作り上げた印象も。
当時の真っ只中をリアルに映し出したコッポラの心中を察してしまう、またもや私財を投げ打って映画を作ろうとしているコッポラの挑戦は懲りずに続く、凄まじさ。
すごくよかった
マーロン・ブランドなんかにこだわらなければいいのにとしか思えない。もっと原作イメージに近い、風格があって痩せた役者を選んだらどうなっていたのだろう。マーロン・ブランドも痩せてこない上に原作を読んでもいないくせに、出演料をふっかけて、ひどい人だと思った。そんなことをしていたらいつかバチが当たるぞ、と思った。
コッポラの奥さんが作っているせいか、奥さんがとても出来た人物に見えた。自分で作っていてそんななのもどうかと思う。
スケールの大きい世界と狂気が覗けてとても楽しかった。
後に公開される『特別編』で使われた映像がけっこう入っていたような気がする。『特別編』のクライマックスについては触れられていなかった。劇場公開版のモヤモヤする結末の苦労が面白かった。
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