「カトリックに対する皮肉を込めているのか」野のユリ 根岸 圭一さんの映画レビュー(感想・評価)
カトリックに対する皮肉を込めているのか
陽気なホーマーと偏屈なマザーマリアという対照的な二人の掛け合いが、シュールな笑いを生む映画だった。冒頭、真顔でじっと見つめてきながら一方的な要求をするマザーマリアと、それに困惑するホーマーの姿に笑った。
作中の台詞や、ホーマーの教会建築の様子を見ていた人々が手伝うようになる展開から、信仰心だけでは何もなし得ないという、俗世間の常識と乖離したカトリックに対する皮肉と、人が動くところに人が集まり、大きなことを成し得るというテーマを込めた映画なのかなと解釈した。
ただ、今作で建築したのは小さな教会だが、歴史に残るような大聖堂の建築の場合、やはり強い信仰心があってこそ多くの人や資金を集めて成し得た部分が大きいと思う。そのため上記の解釈だとズレているのかなと、いまいち腑に落ちなかった。
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