「そんなアホなと思いつつ……」ノッティングヒルの恋人 pekeさんの映画レビュー(感想・評価)
そんなアホなと思いつつ……
「そんな話あるかいな」と、奇跡のようなストーリーをいささか訝しく思いながらも、けっこう楽しんで観てしまいました。
世界的な女優が、出会って間もない一般人にあんなキスするか? ちょっとこの人、頭おかしいんと違うんかとか(ごめんなさい)、夜の公園に忍び込むシーンでは、おいおい、それ不法侵入やろ、などなど、今回もひとりでいろいろツッコミを入れながら鑑賞しました。
アナがウィリアムと恋に落ちる、そのプロセスにいまひとつ説得力がないように感じましたが、まあそれはそれとしてロマンチックな映画ですね。人気があるのもわかるような気がします。『ローマの休日』を思い浮かべますが、ひょっとしてそれが下敷きになっているのでしょうか?
訝しく思いながらも、さいごまで楽しんで観ることができたのは、この作品全体を貫いている明るいトーンのおかげだと思います。
ちょっと変わった人々、随所に散りばめられたユーモア……。僕は、バラエティー番組で芸人やタレントが手をたたいて体をのけぞらせるような笑いよりも、こういうくすりと笑えるような、思わずぷっとふき出すような、ちょっとしたユーモアの方が好きです(全然おもしろくないギャグ? もあったけど。あと、ウィリアムのアパートの玄関に置かれていた着物姿の女性の立て看板? が気になって仕方なかった)。
ラストで映し出される幸せそうなシーン。ハッピーエンドでめでたしめでたしというところですが、大胆で奔放なこの女優さん、ほかの男性とまた冒険をするんじゃないかと、ちょっといらん心配をしてしまいました。まあ、お幸せにー♡
ところで、終盤、ウィリアムがアナに別れを告げる場面で、僕の近くの席から嗚咽する声が漏れてきました。見ると、一人のおばさんが体を揺らして泣いている。
僕なんか、涙の「な」も出なかったのに、同じ映画でもそこから受ける感動は人それぞれなんだなぁ、とあらためて思った次第です(でもさすがに、ちょっと引いたけどね)。
追記
あと、鑑賞中きつい香水の匂いが漂ってきていましたが、劇場で映画を観るときには、こういうことにも気をつけなければいけないなと思いました。
※昔、バンコクから帰ってくる機内で観て、うるっときたように記憶していたのですが、全然内容が違う。おかしいなと思ったら、『ユー・ガット・メール』と勘違いしてました。ボケてます(そういえば、この映画の中でもメグ・ライアンと間違えられるシーンがあったような……)。