ノスタルジア(1983)のレビュー・感想・評価
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美しい
私はあまり教養がなく、理解しかねる場面が多々あった。おそらく私に限らず西洋人以外の人にとっては、深く理解しづらい作品なのではないか。
日本人と西洋人では、郷愁の感覚に結構差がありそう。下手に分かったつもりになるのは、少なくとも私にはふさわしくないと思えた。
しかしビジュアルはとても美しい。ゆったりとしたペースの進行で、ただそこに在る空間、時間、光と陰影を観て味わっているだけで豊かな感動がある。特に、水の表現が素敵だと思う。
四元素とか詩学とかもしかして関係あるのだろうか?
まあ、メッセージをちゃんと理解できなかったから、反って深い感じがしたのかもしれないが。
なんにせよ、心に残る素晴らしい体験だった。
水
「惑星ソラリス」「鏡」で好きになった、タルコフスキー。
この映画では、水の場面と、蝋燭の場面(ありましたっけ?)しか覚えていません。でも、タルコフスキーの映画での、男性が語るロシア語の音の深さを耳にするだけで、満足する。
もう今はない、六本木のなんとかという映画館で見たような記憶があります。
犠牲と救いの映像詩
2024年1月、4Kレストア版をBunkamuraにて。
さすがに美しい。そして今回もまどろまずに観ることはかなわなかった…
今回の気付き。
エウジェニアの感情の動きがよく分かった。アンドレイとの気持ちのすれ違いも。
水の流れる廃墟のシーンがとても美しい。そこで現れる少女は、アンジェラという名前からしても天使だよね。神様が「存在を示しても彼が気付かない」と言ってたし。
だからこそ世界を救うための温泉渡りの儀式をあらためてやるわけだし。
その温泉渡りの儀式のシーンはやはり奇跡的。1シーン1カットだし、成功する回はアンドレイにカメラが寄って、最後には画面から外してる。新しいアシスタントの様子からしても恐らく心臓で亡くなった感じ。
それを受けて、故郷に帰ったラストシーンと考えると、映画史上最高のラストシーンもさらに味わい深い…
もう一回くらい観られるかな…
恵比寿ガーデンシネマにて生涯ベスト作の最終鑑賞を更新。
何回目だろう?劇場では5回目くらいかしら。
今回は前回と比べても圧倒的に画質が良かった。リマスター?じゃないならデジタル版の上映なのかな?
相変わらずまどろみつつの鑑賞となる訳ですが、画質のおかげか『こんなシーンあったっけ』的な気づきもあったり。
そしてやはり最後の演説からロウソク渡り、エンディングの流れはやはり圧倒的。映画史上最高のエンディング(当社比)を劇場でもっと味わってもらいたい。
生涯ベストの「ノスタルジア」の再映が本日最後のため、北千住遠征…
今度いつスクリーンで見られるか分からないし…
見てみれば、なんとフィルム上映(当たり前?)で、新たな発見もあり、来て良かった。
お話はタルコフスキーの生涯のテーマ、犠牲と救いの物語なのですが、今回も映画の静かな緊張感に負けてちょっとウトウトしてしまいました…
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