「タルコフスキー」ノスタルジア(1983) kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
タルコフスキー
オープニングから絵画的な美しい霧の田園風景に圧倒される。モノトーンに近い彩度を落とした映像から教会の祈りのシーン。次はセピア調の映像と、見事なまでのコントラスト。
しかし、ストーリーもよくわからないし、詩的な表現にも全くのめり込めない。それを補って余りあるくらいの映像表現だけで充分満足なのです。ベートーベンの楽曲を中心とした重厚さも感じられますが、モノトーン映像部分での心情描写が光ります。
焼死するシーンにも度肝を抜かれ、その後ライターの火を触りながら逡巡する老人の姿。すべて絵画的。母の思い出に捧げると書かれたエンディングにもレクイエムを感じさせます。
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