猫が行方不明
劇場公開日:1996年7月27日
解説
パリの下町を舞台に、迷子になった飼い猫を探す若い女性が、様々な人々との出会いで少しだけ大人になる姿を描くロマンチック・コメディ。監督・脚本は、本作が日本初紹介のセドリック・クラピッシュ。長編第三作にあたる本作が意表を突いて大ヒット、さらにベルリン映画祭国際批評家連盟賞を受賞したことで、一躍国際的な人気監督になった。製作はアイッサ・ジャブリ、ファリド・ラウアサ、マニュエル・ムンツ。撮影はブノア・ドゥロム。美術はフランソワ・エマニュエリ。衣裳はピエール・イヴ・ゲイロー、モード関係の衣裳提供は「プレタポルテ」のラミーヌ・カヨーテ。録音はオリヴィエ・ル・ヴァコン。編集はフランシーヌ・サンベール。出演は実質上のデビューの本作で、いきなり人気者となったギャランス・クラヴェル、「憎しみ」のジヌディヌ・スアレム、舞台の演出家で劇作家でもある『パリのレストラン』(第4回横浜フランス映画祭で上映)などのオリヴィエ・ピィなど、日本ではこれまで馴染みのなかった俳優たちが印象に残る好演を競っている。
1996年製作/91分/フランス
原題または英題:Chacun cherche son chat
配給:フランス映画社(フランス映画社=日本ビクター=TBS提供)
劇場公開日:1996年7月27日
ストーリー
クロエ(ギャランス・クラヴェル)は休暇に行くあいだ愛猫グリグリ(アラピムー)を誰に預けたらいいのか悩んでいる。ルームメイトのゲイの青年ミシェル(オリヴィエ・ピィ)は彼氏と別れたばかりでそれどころじゃないし、管理人はもう何匹も預かっているというし。そこで人づてに紹介されたのが、頑固だけどお人好しの猫好きのおばあさんマダム・ルネ(ルネ・ル・カルム)。ところが休暇から帰ってくると、グリグリは行方不明。ルネはご近所の老婦人ネットワークにこの情報を流し、みんなおせっかい半分で熱心に協力してくれるが、手がかりはない。またルネは夜に猫を探すための護衛役にと、アラブ系の青年ジャメル(ジヌディヌ・スアレム)を紹介してくれる。ちょっと頭は鈍いが善良なジャメルは、クロエに恋して一生懸命猫を探す。クロエのもう一つの悩みは恋人のいないこと。ミシェルの見立てでちょっと女らしい服装にして出かけると、今度は変な男たちに言い寄られてますます嫌な気分に。ミシェルの新しい恋人クロード(フランク・マゾーニ)がアパートを追い出されて二人の所に転がり込んできたので、彼女はますます複雑な気持ち。ジャメルが猫を探して屋根に登って転落しそうになる。危機一髪で消防団に助けられたが、彼は自分の誠実さが冗談のタネにされて泣いてしまう。クロエは以前から街ですれ違って密かに好意を抱いていた青年(ロマン・デュラス)とついに話をする。実はドラムを叩いて近所迷惑になっている張本人なのだが、恋をすればあばたもえくぼ…だが彼と寝た直後、そのベッドに恋人らしい女性から電話がある。マダム・ルネが風邪で寝込んだ。お見舞いに行くと台所のオーヴンの後ろで猫の声が!なんとグリグリだった。クロエの隣人で男ヤモメの画家、通称ベルカント(ジョエル・ブリス)が引っ越しをする。荷物運びを手伝いながら、クロエは彼がずっと自分に好意を抱き、自分の絵まで描いていたことを知る。近所のカフェでのささやかな送別会のあと、クロエと画家は再会を約束をしてお別れのキスをし、顔いっぱいに笑みを浮かべて走りだす。
スタッフ・キャスト
- 監督
- セドリック・クラピッシュ
- 脚本
- セドリック・クラピッシュ
- 製作
- アイッサ・ジャブリ
- ファリド・ラウアサ
- マニュエル・ムンツ
- 撮影
- ブノア・ドゥロム
- 美術
- フランソワ・エマニュエリ
- 録音
- オリヴィエ・ル・ヴァコン
- 編集
- フランシーヌ・サンベール
- 衣裳
- ピエール=イブ・ゲロー
- 字幕
- 斉藤敦子
- 衣裳協力
- ズリー・ベット