尼僧物語のレビュー・感想・評価
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6000人位の子供が教育の元、殺されている。
教会運営の寄宿学校が、カナダ政府の同化政策に協力し、先住民(ネイティブアメリカン)の子供を強制的に移住層させ、そこで虐待していた。と言う事実が報じられ、ローマ法王が謝罪の旅をしているとの事。6000人位の子供が教育の元、殺されている。勿論、尼僧ばかりではないだろうが、同化政策なんてそんなもの。日本でも同じ事をやっているが、宮司がお詫びの旅に出たと言う話は聞かない。 この尼僧の訪れるコンゴは当時ベルギー領で同化政策は必須だった。ましてや、第二次世界大戦が開戦間近。 まぁ、彼女は最初から看護師になれば良いのにと、ガキ(中2)頃思ったが、彼女を『すごいな』と思ったのを覚えている。最後が第三の男のリバースだなぁ。と感動した。 内容は兎も角、傑作にしないわけにはいかない。ガキの僕が泣けたのだから。ここのオードリ・ヘップバーンが一番キレイだが、薄化粧だからだろうな。
脱・尼僧物語だったが…
「山河遙かなり」「地上より永遠に」に続いて 観たが、この映画は フレッド・ジンネマン監督作品としては 初鑑賞。 長い作品だったが、 服従が絶対とか、 過去を棄てさせるとか、 そんな教義が 今でも生きているのだろうかと考えたり、 そもそも男女同権の現代でも このような修道院はまだ存在するのだろうか とか、疑問を持ちながらだったので、 一応集中を切らさず鑑賞はしたものの、 約2時間半の上映時間の 特に前半のほとんどが、 修道女の厳しい戒律の世界が 描かれ続けたのにはさすがに閉口した。 ジンネマン監督はこの作品で 何を描きたかったのか。 閉ざされた修道院の非人間的環境なのか、 植民地における支配国民と被支配国民の 格差だったのか。 しかし、徐々に主人公の 信仰と看護の間での葛藤色が強くなり、 終いには世俗的な医師の影響もあって、 最終的に、脱・尼僧の決断を下す。 ナチスによるベルギー侵攻や 父の死を前提とすると、 レジスタンスの看護スタッフとして 信仰よりも大切なことを見出す一人の女性の 生き様を描いた作品なのだろう。 しかし、全体としては切れ味の悪い 冗長なイメージで、長い割には、 先にコンゴに行った同僚との再会や、 彼女の本質を見抜いたコンゴの医師の元に 戻りたいとの想いをどうしたのか、 との描写が無く、 「地上より永遠に」で見せた 各要素を上手く絡ませる構成が欠けており、 重層感が不足してしまった印象だった。 ところで、晩年はユネスコの特使として 活躍したヘップバーンだが、 この作品での経験が大きかったのだろうか。 それにしても、 こんなに笑顔のほぼ無いヘップバーンの 映画もほとんど無かったように思うのだが。 さて、 修道院の戒律が前面に出たこの手の作品は 私にとって苦手の部類だろうが、 たまたま一つ前に観た同じジンネマン監督の 「地上より永遠に」でのデボラ・カーが主演の 「黒水仙」という作品もあるし、 「尼僧ヨアンナ」という 名高いポーランド映画もあり、 観るか観ないか迷ってしまった。
崇高な目的をもって生きる女性
総合80点 ( ストーリー:80点|キャスト:80点|演出:70点|ビジュアル:70点|音楽:60点 ) 尼さんといえば、厳格で禁欲的で慎ましい生活をしているという印象で、とかく堅苦しい。そのような主題の映画だということで、これはもしかすると観ていてかなり暇をもてあそぶのではないかと危惧したが、とりあえずオードリー出演作ということで観てみた。しかし実際はそんな心配も無用だった。 確かに修道院での生活は厳しい。私語すら許されず、常に修行と自己反省の日々で研鑽を積むだけの日々を、記録映像に近い演出で描いていく。だがそれは退屈なものではなく、コンゴで人道的支援のために尽くすという強い意志をもって修道院に入りながらも、厳しい生活に戸惑い、それでも目的のために敬虔でありながら質素な毎日に耐え忍ぶ姿は興味深かった。 彼女の生き方はマザー・テレサを思い起こさせる。仏教の修行ならばまだ多少の知識はあるものの、俗世に住んでいるとこのような生活にどうしても疎いので、修道院を描いた前半は新鮮な経験だった。 修道院を出てからの病棟勤務とコンゴでの支援活動と、実務に移っても彼女の献身は続く。だがコンゴの様子はあっさりと表面的なことを取り上げていただけなので、ここは激務の様子や環境のことをもっと生々しく現実的に映してもいいのではないかと思う。病気で苦しむ人々のことも休むことなく続く支援のことも、直接的な表現が無くて説明的な科白だけで済まされてしまっている。これではそこで生活をしながら毎日の支援活動をしているというよりも、数日間の視察に来ましたくらいの捉え方のようだった。 そして自分のしたい人道支援と敬虔さの狭間に揺れる彼女の決断が、このような道を選んだ一人の女性の生き方を、真摯に映し出していた。主人公の崇高な目的と生き様を観て、今後さらに彼女の歩む厳しい道を想像し、またそれが悲惨な結末になるかもしれないと思いながらも、何となく彼女の下した決断に納得させられる。
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