にがい米のレビュー・感想・評価
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田植えと「ブギ」
この監督の「オリーブの下に平和はない」を観たので
評価の高い、こちらも観てみました
「オリーブ」は山岳での羊飼いとオリーブ摘みを描いていて
荒涼とした地域と人々の心が感じられたが
こちらは田植えの話で泥にまみれて働く女たちと
ドロドロになってゆく男女関係を描いていて
人間臭くて面白かった、です
マンガーノの足腰(太腿かな?)の力強さに感じられる
生命力みたいなものがヴァローネ、ガスマンにもみられ
映像に更なるパワーを与えているようでした
ヴィットリオ・ガスマンが歌舞伎でいう
〈色悪〉みたいな感じでねっとりと
女をたらし込んでいきますね
ブギでシルヴァーナ(マンガーノ)と踊り、息をあわせてゆく…
彼の危うい魅力と踊りのスリルみたいなものも描かれていました
ラストは季節労働者である女たちの〈米の女王〉への哀悼と
〈女の過ち〉への深い同情と理解を表しているようだった
正気に戻るフランチェスカ(ダウリング)を演じているのが
アメリカ女優というのもなんか面白かったです
イタリアの戦後みたいなものが伝わってきました
我が親父の好きな映画。初めて見た。
軍曹が映画の中で話すセリフ『軍服を脱げる日を10年間待っている、普通の生活に戻りたいが不安が残るから決心できない』と話す。つまり、生活するために仕方なく、軍人でいるという事だ。
大なり小なり、そうだとと思う。
この映画は選ぶ男を見誤った女の悲劇という事だ。イタリア映画だね。
シルヴァーナ・マンガーノはソフィア・ローレンやクラウディア・カルディナーレよりも以前のセクシー女優だ。我が親父のアイドルだった。
『田植えする女性がイタリア人は美しいからね。日本人はちょっとね』今は亡き親父の言葉。今は地獄にいるので、許してやって貰いたい。今は亡き我が母は農家出身で、田植えを幼い頃からやっていた。
「にがい米」の紹介グラビアは必ずシルヴァーナ・マンガーノ!
野性的でグラマラスと紹介される
シルヴァーナ・マンガーノだが、
かつて私が観たのは
パゾリーニの「アポロンの地獄」や
ヴィスコンティの各作品などでの、
どちらかと言うと敗退的ムードの彼女
だった。しかし、彼女の若さ爆発的この作品
をついに観ることが出来た。
しかし、この映画でまず驚かされるのは、
冒頭での田植えシーンだ。
日本では家族やせいぜい一族単位での耕作
を思い浮かべるが、
イタリアでの出稼ぎ労働者による
この集団耕作は、
戦後期の一時的な対応だったのだろうか。
また、ソフィア・ローレンの映画を通して、
何となくイタリア女性のたくましさを
目の当たりしてきたが、
この作品でも同様に感じさせられた。
さて、この作品での
若いシルヴァーナ・マンガーノだが、
目元等にしっかりと後年の映画での
彼女と同じ面影を確認出来たのは
嬉しい限り。
話は、相当な悪の男性と発展途上の女性が
出会った悲劇とのありがちな内容で、
その悲劇への展開も平板の域の範疇内。
また、彼女のこの作品でのウエイトも1/4か、
せいぜい1/2なのだが、
あたかも「にがい米」は
“シルヴァーナ・マンガーノの映画”
のごとく紹介される位の彼女の肉体的存在感
を確認出来た鑑賞となった。
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