南極のスコット
劇場公開日:1949年8月23日
解説
スコットの南極探険記録を色彩映画化したもので、長篇記録映画に秀いでたマイケル・バルコンが製作した一九四八年作品。実録に基いてウォルター・ミードとイギリス記録映画一方の雄たるアイヴァー・モンタギュが脚本を書おろし、「船団最後の日」「愛の海峡」のチャールズ・フレンドが監督した。撮影監督は「黒水仙」「赤い靴」のジャック・カーディフ「バグダッドの盗賊」「コンゴウ部隊」のオスモンド・ボラデール、「笑う姫君」のジェフリー・アンスワースが分担した。主役は「大いなる遺産」「ウォタルー街」のジョン・ミルズで、「ニコラス・ニックルビー」のデレク・ボンド、ハロルド・ウォレンダー、レジナルド・ベックウィズ、ジェームズ・ロバートソン・ジャスティスが悲壮な死をとげる主なる隊員にふんし、女優ではダイアナ・チャーチルとアン・ファーズが出演している。
1948年製作/111分/イギリス
原題または英題:Scott of the Antarctic
劇場公開日:1949年8月23日
ストーリー
一九〇四年、南極探険に赴いた海軍大佐スコットは、一九〇九年第二次探険を企画したが、海軍省は後援をしない。女流彫刻家である妻のキャスリーンは夫を励した。あなたは私よりも先に南極を御存じでした、また南極へいらっしゃることは覚悟してましたというのだった。スコットは全国に遊説して資金を隊員を募集した。親友のウイルソン医師をはじめ、人は余るほどだったが、資金はなかなか集まらないロンドンのヴィクトリア街の南極探険隊事務所で、ぼんやり金が集まるのを待つよりもと、スコットはノルウェイへ赴き、モーター橇の実地試験をした。探険家ナンゼンはその弟子アムンゼンと同様に犬橇を使えと勧めた。スコットの熱意はついに遂に政府を動かし、二千ポンドを与えられた。不足をかこつべき時でないと、二隻の予定を一隻として、スコット探険隊のテラ・ノヴァ号は南極へ向って壮途についた。ニュー・ジーランドまで送って来たキャスリーンと別れる時、スコットは一通の電報を渡された。それには南へ行くアムンゼン、とあった。北極探険行とばかり思っていたアムンゼンが、競南者となったことは大打撃であった。ウイルソンは自分達は科学的探険なのだから気にするなと慰めた。テラ・ノヴァは南極圏へ進み大氷壁をながめつつ、イヴァンス岬へ到着、一隊は上陸して基地を建設した。スコットが隊員に極地旅行の心得を講話してる時、ペネル中尉が鯨湾でアムンゼン探険隊とあったと報告、犬の大群を連れているということであった。長い夜の間は準備ですごし、太陽が現れるといよいよ極地へ向って出発した。モーター橇二台より成る一隊、馬を用いた隊が一隊であった。いきばくも無のモーターは二台とも破壊し、二名の隊員は報告書を持って基地へ引返した。探険隊は吹雪におそわれ、それは五日間続き、シャックルトン探険の時よりも条件を悪くした。氷河帯突破にあたって馬は鈍重すぎるので射殺しなければならなかった。次には犬橇隊も退却し、上部氷河の前進基地でクリスマスを迎え、そこでまた一隊が退去した。残る八名は大氷原を人力で突破して行き、最後にスコットはウイルソン、オーツ、バワース、タフ・イヴァンスの四名を彼と共に極地行の決死隊に指名した。タフは指にげがをしていたのを隊長にかくしていた。難行の末、一九一二年一月十八日スコット等五名は極地に達したが、そこにはすでにアムンゼンが立てたノルウェイの国旗がひるがえっていた。スコット等は記念写真をとり、英国国旗を立て、帰途についた。タフの手は凍傷はなはだしく、こん倒して石に頭を打ち、再び立たず、ビアドモア氷河のふもとに埋められた。第二の犠牲者は足に凍傷したオーツで、フーパー山前進基地を通過後、吹雪の最中に僚友に迷惑をかけないため、自ら失そうした。しかし残る三名も吹雪のために進み得ず、あと十一マイルでワン・トン前進基地という地点で惨ましくも最後をとげた。
スタッフ・キャスト
- 監督
- チャールズ・フレンド
- 脚本
- ウォルター・ミード
- アイヴァー・モンタギュ
- 原案記録
- スコット南極探険隊
- 台詞
- メアリー・ヘイリー・ベル
- 製作
- マイケル・バルコン
- 撮影
- ジャック・カーディフ
- オスモンド・ボラデール
- ジェフリー・アンスワース
- 美術
- アルネ・オーケルマルク
- 音楽
- ラルフ・ボーン・ウィリアムス
- 編集
- ピーター・タナー
- アソシエイト・プロデューサー
- シドニー・コール
- 特殊効果
- ジム・モラハン
- 技術アドバイザー
- クインティン・ライリー
- デビッド・ジェームズ
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Captain R. F. Scottジョン・ミルズ
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Kathleen Scottダイアナ・チャーチル
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Dr. E. A. Wilsonハロルド・ウォレンダー
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Oriana Wilsonアン・ファーズ
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Captain L. E. G. Oatesデレク・ボンド
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Lt. H. R. Bowersレジナルド・ベックウィズ
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Petty Officer Evansジェームズ・ロバートソン・ジャスティス
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Lt. E. J. R. Evansケネス・モア
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Charles S. Wrightデニス・ヴァンス
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Chief Stoker Lashlyノーマン・ウィリアムズ
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Petty Officer Creanジョン・グレッグソン
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Surgeon Lt. Atkinsonジェイムズ・マッケニー
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Apsley Cherry Garrardバリー・レッツ
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Petty Officer Keohaneラリー・バーンズ
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Dimitriエドワード・リサク