「犯罪がからんだ人間劇」嘆きのテレーズ Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)
犯罪がからんだ人間劇
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総合:70点
ストーリー: 70
キャスト: 80
演出: 70
ビジュアル: 60
音楽: 60
当初は眠っていて何も見ていないと証言しておきながら、後になって急に実は見ていたといったところでどれほどの信用度があるだろうか。ましてや目撃者死亡のままの証拠もない手紙の告白に事件を覆すほどの価値があるとは思えない。そんな疑問もあったし、だから犯罪物としてみればこの作品は弱い。
しかし両親を亡くしたテレーズが自己犠牲を強いられていたのもわかるし、彼女の甘やかされた夫と甘やかす母親の関係に、テレーズとトラック運転手がうんざりしていたのもわかる。また夫が死んで警察にも疑われ義母の目に怯え死体を見たテレーズが動揺するのもよくわかる。酒場で殴られてもひるむことなく正面を見据える元軍人の強請屋の態度からは、危険な橋を渡ってでも目的を絶対に遂行するのだという意思の固さが見て取れる。彼は彼なりに自分の悲惨な状況を変えようと、命をはった賭けに出ていた。そのような人間関係の描き方と演技に見るべきものがあった。
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