ナイル殺人事件(1978)のレビュー・感想・評価
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ミア・ファローを中心に見てわかったこと
登場人物が多くて誰を中心に、あるいは誰に感情移入するかによってこの映画の印象が変わると思う。もちろんミステリー映画なので普通はポアロだろう。ただ、私はもともとミア・ファローのファンだったので、ミア・ファローを中心に見た。それで分かった事は、この映画は
ミステリーでもサスペンスでもなく、(そのような体裁をとっているが)純愛映画だった。
最後に、事件はミア・ファローの愛が発端だったと分かったとたん、この映画が私にとっては ミステリー映画から素晴らしい恋物語に変貌した。事件の前に、デッキで一人で佇んでいるミア・ファローが寂しそうだったのをはっきりと覚えている。ラストを見た後このシーンのことを思い出すと、感慨深いものがある。この時何を考えていたのだろうかと。
ミア・ファローは決して美人ではないが、何か惹きつけられるものがある。
この映画は、ミア・ファロー出演作としては、「フォロー・ミー」の次に好きな映画である。
ナイルに死す
『ローズマリーの赤ちゃん』でのやつれたメイクがそのままミア・ファロー。そりゃ、婚約者を紹介した途端に成金お嬢さんに奪われちゃったんだもんなぁ。そして静かに見守るポワロ。
ナイルくだりのカルナック号に乗り込んだ豪華俳優陣。リネットに恨みを持つ者が非常に多い。彼女の父に破産させられたバウワース(スミス)、小説のモデルにしたことで名誉毀損で訴えられそうなサロメ(ランズベリー)、アンドリュー叔父(ジョージ・ケネディ)、働いた金を要求するルイーズ(ジェーン・バーキン)などなど・・・。そして最も恨んでいそうなジャクリーンはカルナック号に乗船できなかったが、リネットたちを脅かす存在だ。
最初に訪れた神殿で石が落ちて来るピンチ。その後のアブシンベル神殿でジャクリーンと再会。彼女もちゃっかり乗船してくる。そして、ディナーの後、携帯していた短銃でジャクリーンがサイモンの足を撃ってしまい、その後リネットが殺される。動けないサイモンと、ずっと付き添っていたジャクリーンが最も疑わしくない人物となるのだ。
以前にも観てるのに思い出せないもどかしさ。疑わしくないジャクリーンが犯人だろうと先入観で見ていてもトリックがわからない。赤いマニキュア、ダイイングメッセージの“J”、見つかった短銃・・・ヒントを繋ぎ合せることができるのはポワロだけだ。やがて、犯人を恐喝していた節があるルイーズが殺され、それを目撃していたサロメも殺される・・・
終わってみると、ずっと貧乏だった者が純愛を通したことが判明し、まさしく悲劇・・・。ポワロの明快な解説に惚れ惚れと聴き入ってしまった直後の出来事だ。原作ストーリーの秀逸さもあるが、名優ばかりを使ったことも大成功。まんまと感動させられてしまいました。というか、ところどころのシーンを覚えているということは、何度見ても満足する映画なんだろうな。
船上密室…消化不良な脳細胞
ポアロシリーズ(ピーター・ユスティノフ版)第1作。
レンタルDVD(デジタル・リマスター版)で鑑賞(字幕)。
原作は未読です。
やっぱりアルバート・フィニーのポアロしか勝たん、と思いました。なんとなく、本作のポアロは"灰色の脳細胞"と云う感じが全くしなかったんですよねぇ…
ナイル川を航行する船内で発生した密室殺人事件。こぞって怪しい容疑者たち。ストーリーとミステリーの基本構造は「オリエント急行殺人事件」と似通っていました。
エジプトでのロケはあったものの、物語の特性上セットの中で殆どの撮影が済んでしまうし、何よりそこで節約した予算を豪華なキャストの出演料に回せるから、贅沢なミステリー大作をつくるには持ってこいの題材だなと思いました。
予想を裏切るトリックと犯人の正体に度肝を抜かれました。
ですが、「オリエント急行殺人事件」のような面白さは感じられず、どこか消化不良な印象でした。
[余談]
デビッド・ニーブンがカッコいい!
ダンディズムにシビれました…
※修正(2022/03/02)
よくできてる
ミステリーとして良くできてますね
割と展開としては王道なんですよね。
全員動機があって、あからさまに怪しいのがいる。
だけど…
ちょっと推理は強引な気もしますが、
それでも十分楽しめる作品だと思います。
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