「史実に即しているが、ドラマがない。華がない。」トラ・トラ・トラ! Haihaiさんの映画レビュー(感想・評価)
史実に即しているが、ドラマがない。華がない。
1970年公開、アメリカ映画。
149分。
【監督】:リチャード・フライシャー、舛田利雄、深作欣二
【脚本】:ラリー・フォレスター、エルモ・ウィリアムズ(ノンクレジット)、ミッチェル・リンドマン(ノンクレジット)、小国英雄、菊島隆三、黒澤明(ノンクレジット)
【原作】:ゴードン・W・プランゲ〜『トラ・トラ・トラ!』
ラディスラス・ファラーゴ〜『破られた封印』
主な配役
【キンメル太平洋艦隊司令長官】:マーティン・バルサム
【山本五十六連合艦隊司令長官】:山村聡
【スチムソン陸軍長官】:ジョゼフ・コットン
【源田實第一航空艦隊参謀】:三橋達也
【ハルゼー第2空母戦隊司令官】:ジェームズ・ホイットモア
【南雲忠一第一航空艦隊司令長官】:東野英治郎
【ハル国務長官】:ジョージ・マクレディ
◆黒澤明降板の真相は?
黒澤明が監督と脚本を担当する予定だったが、途中降板した。
日本語、英語それぞれのwikipediaに、それぞれの理由が書かれていて面白い。興味がある方はぜひご覧いただきたい。
◆企画自体は実は安易?
長くなるが、以下、日本語版wikipediaから引用↓
大作『史上最大の作戦』の大成功に気をよくした20世紀フォックスが、ノンフィクション作品、ラディスラス・ファラゴ『破られた封印』(The Broken Seal)を原作に、日米双方の視点から真珠湾攻撃を描こうとした企画。20世紀フォックスとしては『クレオパトラ』の大失敗で、傾きかけた会社を救ってくれた『史上最大の作戦』の「夢よもう一度」という期待があった。
↑引用おわり
つまりは二匹目のどじょうを狙ったわけ。
◆日本上映版のほうが4分長い!
渥美清と松山英太郎のプチコント?は、日本上映版のみらしい。
◆巨額な製作費と迫力の戦闘シーン
他の昭和の大作同様、CGに頼らない戦闘シーンは迫力満点だ。
一部、模型も使われているが、ほとんどが実物やセットだ。
本当に戦艦「長門」で撮影したのでは?と思うほど、精巧なセットで驚きを禁じ得ない。
特に、飛行場の空襲シーンは撮影時にケガ人が出たんじゃないかと思うほどだ。
製作費は当時のレートで、約100億円と言われている。
◆まとめ
今日、久しぶりに観た。
あくまで私の感想だが、
あまりに淡々と史実を描いており、
発見や感動がない。
架空のエピソードがほしい、と言っているのではなく、あまりにドラマがなさすぎる、というのが正直な感想だ。
日本の俳優陣、アメリカの俳優陣、
実力者を揃えていて良いのだが、
まったく華がないのが惜しまれる。
『ショーシャンクの空に』で、かわいそうなブルックス・ヘイトレンを演じたジェームズ・ホイットモアが、なんと、ハルゼー中将を演じていたのが印象的だった。
☆3.5
