「古典的怪奇ファンタジーの快作。」ドラキュラ(1992) image_taroさんの映画レビュー(感想・評価)
古典的怪奇ファンタジーの快作。
ドラキュラと言ったら「ホラー」のイメージが付き纏うが…私はホラーとファンタジーは紙一重だと思っている(『指輪物語』や『ハリー・ポッター』のように良質なファンタジーにはホラー要素が必ず伴う)。実際、ホラー要素が強い作品をダーク・ファンタジーと形容することも多々ある。
本作は、古典的怪奇小説を原作とした“怪奇ファンタジー”とでも形容できる作品で、ダーク・ファンタジーに括って良いと思う。ゴシック調で、かつエロティックでさえあり、映像の質感からして実に芳しい。美術面のディテールは舌を巻くレベルであるし、語り口やテンポ感をあえて古臭い感じに保ち、変に現代的なリズムで描くことを避けているところに私は好感を持った(このあたりが好みが分かれるところかもしれない)。
広く評価されるのは難しいかもしれないが、静かに脈々と語り継がれていくような作品ではないか…と、そんな風に思うのである。
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