友だちのうちはどこ?のレビュー・感想・評価
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これで撮ろうって思わない
これで撮ろうって思わないもの。そこに驚かされるし惹かれる。
子供の頃にこんな危機感て、誰もが味わったことがあると思う。大人になって思い返してみるとなんて馬鹿馬鹿しいことで追い詰められていたんだと、アホらしくなるが当時は真剣そのもの。
程度を下げるようで申し訳ない例えだが、はじめてのおつかい、てこれと惹かれるポイントが近いような。あれ、なんか見てしまうでしょ笑
しかし。もうちょっと声でんか?とイライラしながら見た。終始遠慮がちで、でもまあ、教育がこういう感じの文化圏なんだろうな。今日本で「しつけ」て死語みたいなもん。宿題ノートに書かなかっただけで退学て、虐待とかなんとか言われて、先生が吊し上げだろう。ニュースとかなって。いや、関係ないか。。
子供の目線という共通の鍵を使って 国や民族を超えた人間の普遍性を見事に謳いあげています
素晴らしい映画に出逢えました
子供の世界は国が違えど民族が違えど同じです
宿題をやってきたかと先生に問われてドキドキしている表情を通してイランの知らない町の出来事でも共感できるものです
そしてわかってくれない大人たちの世界も同じ
自分たちの子供のころの感情をみずみずしく甦らせてくれます
そして彼の両親や様々な大人、おじいさん、おばあさん、イランの田舎の寒村の暮らし
監督は彼ら彼女らの人生がどうでであったのか、どのように育って来たのか、そしてどのように老いていくのかを様々な登場人物に語らせたり、暮らしぶりを見せて推察させたりしていくのです
そうしているうちに私達は全く知らない国でそこで生まれ死んでいく様々な人生を知り、本作を見ているうちにまるでそこに子供の頃からそこで育ってきて、そこで老いていくかのような錯覚を覚える程にその世界に吸い込まれてしまうのです
そうして、そこには国や民族の違いを超えて、普遍的な人間の暮らしがあり、私達と何も変わるところはない人間の営みがあることを知るのです
世界中のどこの村でも、街でも成立する物語のなです
つまり人間皆同じ、変わりはしません
大きく言えば人種、民族の平等を歌い上げた人類讃歌といえるでしょう
子供の目線という共通の鍵でその扉を開いて見せているのです
カメラの見つめる視線の暖かみ、その場の空気感を伝える間のあるカット回し、そして色彩
光と影
素晴らしい技量の監督だとおもいます
ラストシーンの押し花のハッとする効果的な一撃は長く記憶に刻まれるだろう見事なものでした
名作であると思います
追悼キアロスタミ
手元に置いておきたい映画
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