劇場公開日 1998年11月14日

「大衆、親子、ビジネス…見事に近未来を予見した」トゥルーマン・ショー Haihaiさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0大衆、親子、ビジネス…見事に近未来を予見した

2024年6月17日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

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1998年公開、アメリカ映画。
監督ピーター・ウィアー、脚本アンドリュー・ニコル。

主要キャストは、
世界が見守るトゥルーマン・バーバンク:ジム・キャリー
敏腕プロデューサーのクリストフ:エド・ハリス
ニセの妻メリル・バーバンク:ローラ・リニー
ニセの友人マーロン:ノア・エメリッヒ
思い出の人シルビア:ナターシャ・マケルホーン
など。

シチュエーションコメディ、あるいはSFコメディとも言えるだろう。
本作が公開されて、四半世紀が経過するが、
見事に近未来を予見することに成功している。

− リアリティ番組の行きつくところ(功罪)、
− オーディエンスターゲティング広告、
− 推し活、
メディアがブラウン管なのかスマホなのか、
その違いくらいしかない。

「トゥルーマン・ショー症候群」という言葉まで生まれたのだから、エポックメイキングな作品とも言える。

わたし自身、本作公開から4年後にスタートした『American Idol』を夢中で見ることになり、いわゆるリアリティ番組、オーディション番組の隆盛を予見した本作には改めて脱帽したものだ。

エド・ハリス演じるクリストフが、
あたかも「全能の神」のように天候を操り、
ついには「天の声」と化し、
トゥルーマンに直接話しかける。

クリストフとトゥルーマンは血は繋がってないが、
あの手この手で人をコントロールしようとする様は、
一般の親子関係にも通じるものがある。

◆1個の人間を操れると考える驕り
◆子供の自立を望みながらも怖れる矛盾

エド・ハリス(クリストフ)に感情移入した人も
まあまあ居たのではないだろうか。

私はジャック・レモンも藤山寛美も大好きだが、
ジム・キャリーは彼らよりも「哀」の成分が少ないところが良い。

コメディに風刺はつきものだが、
ジム・キャリーのキャラクターによって、過度な毒や皮肉が緩和され「飲みやすいクスリ」のように優しく作用してくれるのだ。

本作の結末は皆さんご存知の通りだが、
私の連れ合いなどは、
トゥルーマンの後日談が気になって仕方ないらしく、
いまだに「続編まだかな」などと言っている。

これも一種の推し活のスタイルなんだろうか。
人間の業というか、ただのゴシップ好きというか、
トゥルーマン(とシルビア)に、どうなっていてほしいのか、私には分からないが。。。

そういう根強いファンを作った功績に、☆5.0

Haihai