劇場公開日 2020年10月23日

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天井棧敷の人々のレビュー・感想・評価

全15件を表示

4.0欲望と渇望をテーマにした素晴らしい作品。

2022年5月5日
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鑑賞方法:VOD

悲しい

楽しい

幸せ

内容は1820年代フランスはパリ犯罪大通りを舞台にした主人公2人を中心にした恋愛に纏わる群像劇。印象的な言葉は有名な『愛し合う者同士にはパリも狭い』はこの映画のテーマを具体的に表している台詞は素晴らしい。ファムファタール的ガラシスも良い味出してました。恋愛映画とは最高の思い出だけを残して別れる程味わいが深くなる様な気がします。       『貧乏人から愛まで奪うの?』この言葉もテーマについて深く切り込んだ台詞だと感じました。『役者は人以下だ!』は脚本家からのメッセージ性が強いので印象深いです。      シチュエーションでは、この映画のテーマとも言える欲望についての多角的な視点には驚きました。お互いの立場から心の機微が、余計な表現部分が、全て削ぎ落とされ気の抜けない面白い映画でした。余分な場面?!ないとは思いますが切り落としても3時間10分は長い?!それ以上切り落とすと話が破綻するギリギリが素晴らしい塩梅です。             お気に入りのシーンは、最初と最後の映像的な繋がりを印象付ける犯罪大通りの賑わいや喧騒が熱気と狂気まで伝わってきそうで迫力ありました。この映画は、年齢重ねる程味わいがなりそうで、劇中に良く出てくるワイン🍷に似て忘れかけた時に何回も見てみたい程に面白い。

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コバヤシマル

2.5題名からしても有名な作品

2022年1月29日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

アルレッティ扮する芸人ガランスは、時計泥棒呼ばわりされたところで、ジャンルイバロー扮するマイム役者バチストに救われた。バチストは芸人仲間にももてるんだが、ガランスに心奪われたようだ。でも部屋まで連れ込んで愛まで語ってバチストは手を出さないとはね。持っていかれてもしょうがないね。見たとこガランスはちょっと老けてる様な気がするな。それにしても貧しい天井桟敷の客はうるさいんだね。題名からしても有名な作品だが、響く物は無かったな。

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重

4.0制作年に吃驚

2021年5月28日
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鑑賞方法:DVD/BD

楽しい

難しい

鑑賞から数日が経過してしまいました(つっても10~20年経過しててもあんまり気にせずレビュー書く私だけれども)。

ナチスドイツ支配下で作ったんですね、この映画。すげー、の一言。 ウィリアム・ワイラーの『我等の生涯の最良の年』の制作年(確か42年とか45年とかその辺り)を知った時と同じような衝撃。

観ながら思い出したのですが、実は数年前に衛星で、第一部のバチスト初登場あたりのシーンをチラ見してました。(映画の)名前がすごく有名だから、観なきゃ観なきゃとは思ってたんです。

長いよね、、3時間。終盤、ラスネールがサウナに居る辺りはもう集中が切れてた気が、、汗

観ながらまた思ったのは、バチストって何かこう、、ヤンキーの彼女(ちょっと浮世離れした雰囲気の)に惚れちゃった純朴青年的な趣があるな、と。しかし、、随分また急激に熱烈に恋に落ちますよね。ちょっと置いてきぼり喰らいましたわ、、まぁ、昔だし、、フランスだし、、

ガランスとナタリーはまた対照的な女性。
是が非でも本妻の立場で居たいナタリーと、なんやかんや愛人の立場になってしまうガランス。(しかし、、ナタリーの立場ってけっこう傍目にはキツそうに見えるんだけど、、)

若い、儚い、守ってあげたい、ロリ、そういうのがもてはやされがちな日本に生きていると、「成熟」が服着て歩いてるみたいなガランスが(男達によって)もはや入れ食い&一人勝ち状態になっている様は何とも、、隔世の感、じゃなかった、カルチャーショックですね、今更ながら。

教訓:悪党とつるんじゃだめ(fromガランス)、鉄は熱いうちに打て(fromバチスト)。

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yolanda

4.5恋はタイミング

2020年11月21日
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20108.軽い日常を描きながら、徐々に人物像を明らかにする前半。抗いようのない悲劇に向かうラスト。クリアな4K修復版。傑作

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movie

4.0「シェルブールの雨傘」とは異なり過去を選択した男

2020年11月12日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

かつてのNHKBS放送録画分を再鑑賞。

この映画、
同じ仏映画「シェルブールの雨傘」の
男性主人公と比較して観てしまう。

ラストシーンで妻子を捨ててまで
ガランスを追う、つまり現在よりも過去
を選択するバチストだが、
一方、「シェルブール…」の男性主人公は、
“心の中”で過去よりも現在を選択する、
というか過去を切り捨てる。

男性主人公の対照的な対応だが、
では「シェルブール…」の彼は
バチストよりも彼女への想いは
弱いだろうか。いや少なくとも、
ガソリンスタンドに現れた彼女が
自分の子供を連れているのを知った上での
決断だ。

この「シェルブール…」は
カトリーヌ・ドヌーヴが主演のため、
ついつい彼女にウエイトを置いて
観てしまうが、
何の落ち度も無い彼の立場で観ると
良く理解出来る。
この作品で観客は、
男性主人公が現在の縁を大切に、
過去を断ち切る“心の中”の決断を目撃する。
そこに私は、より涙が溢れた。

最初に「シェルブール…」を鑑賞した時、
一緒になれなかった男女が、
お互いの想いを秘めたままの再会と別れに
感傷的に感動していたが、
この「天井桟敷の人々」を観て、
「シェルブール…」再鑑賞時の、
過去を断ち切り、現在を選択する男性の
気持に感動を覚えたことを思い出す。

結婚後のバチストの感情描写がほぼカット
されていることもあり、妻子を振り切っての
ガランスへの行動に共感出来る方は
私も含めなかなか少ないかとは思うが、
一方で、
総体としての各登場人物の丁寧な描写から、
そんな想いもあり得るのかなと観た。

男女の恋愛感情は難しく、
常識論では捉えきれない。
一見、全ての登場人物に破滅が訪れた
如くのフィナーレではあるが、
人間何が幸せなのか、
何かと考えさせる映画だった。

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KENZO一級建築士事務所

5.0永遠に色褪せない愛しき名画

2020年10月31日
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鑑賞方法:映画館

興奮

知的

幸せ

『好いた者同士には、パリは狭いよ』

しかし、愛する者同士は、パリどころか遠く何年隔たれようとも、朝も昼も夜もずっと一緒だった。
劇中劇と劇中の物語が重なり遇い、音楽の調べにのせて男女の想いが身体性豊かに交差し奏でられる。
愛が無ければ、たとえ夜を共にしても孤独と嫉妬で心満たされず、月を追うように愛は指先に届かない。

貴賤が入り乱れる激動のパリを舞台に、天井桟敷に生き生きと渦巻く無名の市民を借景として、一人のアフロディーテを取り巻く男女の悲喜劇を捉えたこの作品は、愛の本質一点にフォーカスし、全編190分に渡り微塵の隙なく観る者の知的好奇心と感情のうねりを鷲掴む、永遠に色褪せない愛しき名画である。

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森のエテコウ

5.0フランス映画らしい傑作

2020年10月24日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

知的

幸せ

2021年2月に閉館する恵比寿ガーデンシネマで、「天井棧敷の人々」を観る。
3時間を超える本作も4回くらい観ているが、
久しぶりに観て、こんなに胸が締め付けられる愛を描いていたなのだなあ、とあらためて凄い映画だと思った。
やっぱり、フランス(人)らしい、としかいいようがない。
ジャン=ルイ・バローのパントマイムは、ほめる言葉も陳腐になってしまうくらい、
まさに至芸。
アルレッティは実年齢を思わせぬ明るい妖艶さ。
実は彼女の一本気の明るさがこの映画を支えているのだなあ、としみじみ感じた。
若いころは良さがわからない、大人の映画である。
さすがに映画史上に残る傑作の一本である。一生の間に一度は観るべし。

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naochan926

4.5愛すれど獲得できぬ愛

2018年4月24日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

名作の聞こえ高く長年観たいと思っていた本作をこの度レンタルショップで借りて来て漸く観た。普遍的な主題を扱った矢張りの名作だと思った。作品全体の雰囲気が格調が高く登場人物たちのセリフがとても詩的である。設定時代のパリの街の様子も詳細に再現している。そしてこの作品で描かれるのは恋い焦がれても実らぬ愛である。登場人物たちは愛する異性に精一杯焦がれ煩悶する。甘言も、富や地位も、そして脅迫も、どの手段を用いても相手の愛を獲得するには至らない。お互いが愛し合うというのは、それほどの奇跡なのである。唯一相手の愛を得る手段があるとすれば、誠実に愛することのみであるが、それすらも絶対ではない。時には他者の幸福を壊すことに臆してしまうからだ。今の時代の日本のみならず世界にも、この映画の登場人物たちと同じ思いをしている者が夥しくいることだろう。本作は時間と空間を越えて普遍的な価値を持つ映画である。

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eichan

4.0フランスの魂

2017年11月18日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

悲しい

興奮

仏を占領していた独は、退廃的と思われる芸術を認めなかったが、後世では、『愛の嵐』等、独の方が退廃的、荒廃的に描かれている。本作でも、自由に生きる女性や悪党、愛や栄誉を求める芸術家が描かれ、混沌とするが退廃的ではない。あるべき自由を認めなければ人心が荒廃して社会は退廃的となり、あるべき強制を行わなければ社会が荒廃し退廃的となる。

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ひろち

3.5当時の超大作なのだろうが3時間半はなかなかキツく、睡魔と闘ってなん...

2017年4月2日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

当時の超大作なのだろうが3時間半はなかなかキツく、睡魔と闘ってなんとか見終えた。映画と言うより舞台を観ているようで不思議な世界観だった。

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tsumumiki

5.0大好きな映画

2015年8月15日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD、映画館

この映画で、大人の女性の愛とまだ若い男の愛は違うのかも知れない!と、大発見したような気になりました。

映画館で感動して、当時はやたら高額だったビデオまで買って何度も何度も見た。フランス映画で心から好きと言える、数少ない映画の1本です。

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talisman

5.0これぞ古典的名作

2015年4月8日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

知的

何度でも観たくなる、これぞ映画の中の映画。
だからと言って決して難しい作品ではありません。

とにかくドイツ軍によるパリ占領下に於いて非占領地に大セットを組んでパリの街中を再現し検閲を潜り抜けながら制作されてフランス演劇界の名だたる名優達や、反ファシズムの人達が総て結集して完成に漕ぎつけた事こそが奇跡と言える。

内容的には今観ると単なる男女の痴話喧嘩と言われそうだけれど、当時ドイツ軍に占領されていてパリ市民達が味わえ無かった芸術・芝居・音楽等の餓えを一気に解消させたのは間違いない。
勿論それだけでは無くて普遍的な男女の縺れを巧に描いてある為に世界中から愛されているのだろう。

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松井の天井直撃ホームラン

3.0無駄な場面ばかりが多い

2014年12月29日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

知的

総合55点 ( ストーリー:70点|キャスト:60点|演出:50点|ビジュアル:60点|音楽:60点 )

 傑作ということだが、当初はつまらなかった。長い時間をかけて一体何を描きたいのだろうかと思った。劇中劇をただ流し続けたりして無駄な場面が多すぎるのに、登場人物の心理や事情といった肝心の場面が抜けていたりする。
 これで後半になってこんな愛とか人の生き方の話になってくるとは思わなかった。これならば前半でどのように登場人物が愛を感じるようになったのかといった、登場人物の感情などの具体的なことをもっと描かないといけない。彼らの背景についてよくわからないままに話が進展してしまうから、思い入れも薄くなるし共感も少ない。後半になっていつのまにそんなに人生がもつれていたのかと驚いた。その人間模様が面白かったのに、それが前半で描けていないのが駄目。

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Cape God

2.04時間は長いかも

2014年6月6日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

寝られる

 第二次世界大戦中という制作当時のコンテクストの中で批評すれば、ここには現在の恋愛劇のありとあらゆる要素や、パターンが織り込まれており、非常に重厚な恋愛大河ドラマになっていると評価することができる。
 しかしながら、あまたの映像作品の中に、様々な恋愛模様や人生を見てきた、現在の観客の目からみれば、4時間という上映時間を使って表現するには、少し冗長な印象を抱かざるを得ない。
 ただし、セットの中を縦横に動き回るカメラワークが生み出す映像と、編集の妙は、スピード感があり、長い時間でも楽しむことができる。物語の筋を追うだけの現代の鑑賞者には退屈な作品でも、映画的な文法を心得、それを追うことのできる向きには、これぞフランス映画の原点という印象が残るだろう。
 そうは言っても、やはり4時間は長い。長いからこそ、何度も繰り返し見る必要がありそうだ。

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佐分 利信

4.060年前の映画なのに構えずに見れる

2008年9月19日

泣ける

悲しい

萌える

この映画は文字通りの歴史に残る名作の中の名作で、第二次世界大戦中にナチスドイツの占領下にあったフランスで、約三年の歳月を使って撮影された作品です。近所のミニシアターで二年前に上映されました。

ストーリーは二部構成で、簡単に言えば貧しさゆえに愛よりもお金をとった人々の悲しいラブ・ストーリー。ラブ・ストーリーといっても、今の恵まれた時代にあるものより、展開はリアルです。貧困の生活では、愛ですら権力や財力を前にすると、一瞬にしてかすんでしまうのですから。フランス映画の精神の原点は、この映画にあるような気がしました。ぎりぎりに追い詰められると、愛は必要条件の一つであるが、十分条件ではないのだ。そして、それが人生というもの。ということになるのでしょう。

モノクロ映画を見るといつも思うのは、画面の力がカラーよりもあるということ。それは時として吸い込まれそうなくらい危険なほどですが、本作のような重いストーリーでは何故かホッとする。マルセル・カルネ監督はじめ撮影に関わった人々の、画面の細部にいたる細部にまで心を砕いた跡がうかがえます。

画面に語る力を秘めた映画つくりをできる人は、この人とフェリーニ、タルコフスキー、そしてスピルバーグくらいでしょう。

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あんゆ~る