劇場公開日 2020年10月23日

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「4時間は長いかも」天井棧敷の人々 よしたださんの映画レビュー(感想・評価)

2.04時間は長いかも

2014年6月6日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

寝られる

 第二次世界大戦中という制作当時のコンテクストの中で批評すれば、ここには現在の恋愛劇のありとあらゆる要素や、パターンが織り込まれており、非常に重厚な恋愛大河ドラマになっていると評価することができる。
 しかしながら、あまたの映像作品の中に、様々な恋愛模様や人生を見てきた、現在の観客の目からみれば、4時間という上映時間を使って表現するには、少し冗長な印象を抱かざるを得ない。
 ただし、セットの中を縦横に動き回るカメラワークが生み出す映像と、編集の妙は、スピード感があり、長い時間でも楽しむことができる。物語の筋を追うだけの現代の鑑賞者には退屈な作品でも、映画的な文法を心得、それを追うことのできる向きには、これぞフランス映画の原点という印象が残るだろう。
 そうは言っても、やはり4時間は長い。長いからこそ、何度も繰り返し見る必要がありそうだ。

佐分 利信