「欲望と渇望をテーマにした素晴らしい作品。」天井棧敷の人々 コバヤシマルさんの映画レビュー(感想・評価)
欲望と渇望をテーマにした素晴らしい作品。
内容は1820年代フランスはパリ犯罪大通りを舞台にした主人公2人を中心にした恋愛に纏わる群像劇。印象的な言葉は有名な『愛し合う者同士にはパリも狭い』はこの映画のテーマを具体的に表している台詞は素晴らしい。ファムファタール的ガラシスも良い味出してました。恋愛映画とは最高の思い出だけを残して別れる程味わいが深くなる様な気がします。 『貧乏人から愛まで奪うの?』この言葉もテーマについて深く切り込んだ台詞だと感じました。『役者は人以下だ!』は脚本家からのメッセージ性が強いので印象深いです。 シチュエーションでは、この映画のテーマとも言える欲望についての多角的な視点には驚きました。お互いの立場から心の機微が、余計な表現部分が、全て削ぎ落とされ気の抜けない面白い映画でした。余分な場面?!ないとは思いますが切り落としても3時間10分は長い?!それ以上切り落とすと話が破綻するギリギリが素晴らしい塩梅です。 お気に入りのシーンは、最初と最後の映像的な繋がりを印象付ける犯罪大通りの賑わいや喧騒が熱気と狂気まで伝わってきそうで迫力ありました。この映画は、年齢重ねる程味わいがなりそうで、劇中に良く出てくるワイン🍷に似て忘れかけた時に何回も見てみたい程に面白い。
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