「現代日本の常識だけで見ると、面白くないかも。」天井棧敷の人々 藤崎敬太さんの映画レビュー(感想・評価)
現代日本の常識だけで見ると、面白くないかも。
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映画通の父が好きな映画の一つなので、思い入れがあり、数十年ぶりに鑑賞。
ナチス占領下のパリでこれだけの映画、多くのエキストラと大規模な撮影、
人の映画への渇望を感じさせる。当時の衣装や風俗も見応えがある。
日本では一途な愛が推奨されるが、さすがフランス。結婚して子供ができても、
バチストは愛する女性を思い続ける。相手の女性ガランスも金持ち伯爵に囲われながらも
気持ちはバチストとずっと共にあった。
愛を確かめ合う2人だが、バチストの妻ナタリーから現実を突きつけられ、
ガランスは静かに去る。そのラストのシーンが素晴らしい。
追いかけるバチストは祭りの群衆にもみくちゃにされ、2人の結末はわからないまま、
狂乱の群衆を映し、映画は終わる。
ラストに人生への肯定というか、愛にはルールはないというか、
全てひっくるめて、人生は素晴らしいと言われてるようで、さすが名画だと感じた。
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